フランス海軍練習艦隊「ジャンヌ・ダルク2017」 [fr]

 フランス軍は太平洋海域で、国家主権の担い手、地域の海洋安全保障の重要なパートナーとして活動しています。

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 強襲揚陸艦「ミストラル」とフリゲート艦「クールベ」は、ティモール海でオーストラリア海軍と共同訓練を行いました。これはフランスとオーストラリアとの戦略的パートナーシップの活力を示すとともに、5月26日から30日までダーウィン寄港の際に行われた、陸上でのさまざまなイニシアティブを補完するものです。フランス海軍の士官候補生の運用教育を行う練習艦隊「ジャンヌ・ダルク」を率いる両艦は、その後6月2日から4日にかけてシャングリラー・ダイアローグが開催されるシンガポールに向かっています。この年次会合はアジア太平洋地域の安全保障問題について話し合われるもので、フランスのシルヴィー・グラール軍事大臣をはじめ、各国から国防大臣が出席します。

 フランスは西インド諸島と太平洋地域に位置する海外領土に常駐部隊を置いています。これらの海外領土は、フランスに排他的経済水域(EEZ)の80%以上、900万平方キロメートルを付与しています。そこに暮らす150万人のうち、14万人近いフランス人がアジア太平洋地域諸国に居住しています。

 フランスにとって太平洋戦域は、ニューカレドニアやフランス領ポリネシア、ウォリス・フツナの駐留部隊を通じ、政治・軍事面で主要な役割を担う地域協力海域です。合計で2,300人の常駐または短期任務の兵士が、在留フランス人の保護、フランスの主権と利益の尊重に従事しています。地域のパートナー諸国と軍事面での国際関係を維持することで、フランス軍は地域の安定に貢献しています。さらにフランスは、オーストラリア、アメリカ、ニュージーランドと4カ国防衛連携グループ(Quad)を構成しており、こうした主要パートナー国と連携して島嶼国の支援も担っています。4カ国間では定期的に対話と訓練を行っており、主権を尊重する任務の遂行において、より良い協力体制が可能になっています。この軍事協力は太平洋の島嶼国の、特に海洋安全保障、資源保護、不正取引対策や住民への支援任務の分野での支援に関する地域枠組みの要です。

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 こうした地域協力はフランスの政策の一端を担っています。法に基づいた国際秩序のもとでの戦略的利益の防衛を礎とし、この地域の特殊性と運用可能な手段を考慮しつつ、太平洋地域のフランスの自治体という安定的な基盤を活用した、外交・軍事面での重要なツールです。

 フランスは太平洋地域の隣国と同様に、自国の利益に対する脅威にさらされています。最近のフランスやオーストラリアの領海への度重なる船舶の侵入に際し、両国はより一層協力して違法侵入の警戒にあたることとしました。太平洋東部においては米国との協力体制が順調に機能しており、フランス領ポリネシアで数多くの麻薬の不正取引の摘発に至りました。

 太平洋地域におけるフランスの司令部の管轄範囲の大半は海洋です。パプアニューギニアを除くオセアニア諸国はすべて島嶼国です。陸の国境の問題は、その策定であれ防衛であれ、世界のあらゆる地域で大きな問題となっていますが、この地域では島の主権争いはあるにしろ、国境問題が紛争に至ることはありません。むしろ海域とその資源の支配が関心の的となります。他の地域と異なる特徴は、多くの国々が、陸の表面積は小さいながらも広大な排他的経済水域を有しているということです。小国の大半がこうした海域を監視し、守るだけの手段を所有しておらず、オーストラリア、アメリカ、フランスやニュージーランドのサポートに頼っています。

 フランス軍は2年に一度、運用準備レベル向上のための多国間訓練「南十字星」を主催していますが、そこには太平洋島嶼国の哨戒艇も招かれています。また、「Quad」メンバー国は太平洋諸島フォーラムの漁業機関(FFA)のために、主に空と海の監視にあたっています。これは小国が自国と近隣諸国のために行っている監視を補完するものとなっています。

 フランスは自然災害時の人道救助においても重要な役割を担っています。南太平洋地域では、オーストラリア、フランス、ニュージーランドが1992年に「南太平洋における災害救援協力協定(FRANZ協定)」を締結しました。これにより、定期的に熱帯性の嵐やサイクロンの被害を受ける島嶼国の救援作業の連携と、使用可能な運用手段の利用の最適化を図れるようになりました。協定の締結以来、この地域での自然災害時にニューカレドニアとフランス領ポリネシアの部隊が人道救助活動に出動した回数は、約30回に及びます。今日では気候変動の影響でサイクロンが頻繁に発生するため(最近のものだけでも2014年「イアン」、2015年の「パム」、2016年の「ウィンストン」や2017年の「ドナ」など)、こうした活動は太平洋に駐留するフランス軍の定期的な任務となっています。

 気候変動の影響を考慮することは、今やフランスの防衛政策の重要な要素の一つとなっています。フランスはこの分野で第一義的な役割を国際レベルで担っています。パリ協定を記録的な短期間で発効させた国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の議長国を務めたのみならず、多くのアジア太平洋諸国と共に気候と防衛の問題に関する新たな閣僚級の国際会議も立ち上げました。

 フランスは地域の安全保障に貢献し、太平洋全域、中でも複数のオセアニア諸国の防衛・安全保障能力の向上に寄与します。地域の発展に不可欠な安定性を維持し、限られた手段しか保有しない国々を支え、共通の脅威に効果的に対峙するためには、地域の主な安全保障パートナー国との協力が何よりも重要です。

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最終更新日 08/06/2017

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