フランス人間国宝展 [fr]

 フランスの最も優れた工芸作家15人が一堂に会する「フランス人間国宝展」が9月12日(火)から11月26日(日)まで、東京・上野の東京国立博物館で開催されます。現代の創作活動への新しい見方を提案します。

ジャン・ジレル(陶芸)
ジャン・ジレル(陶芸)
ロラン・ダラスプ「グラス チューリップ 」(金銀細工)
ロラン・ダラスプ「グラス チューリップ 」(金銀細工)
ネリー・ソニエ「窪み」(羽根細工)
ネリー・ソニエ「窪み」(羽根細工)
ナタナエル・ル・ベール 「無限」(真鍮細工)
ナタナエル・ル・ベール 「無限」(真鍮細工)
ピエトロ・セミネリ(折り布)
ピエトロ・セミネリ(折り布)
ジェラール・デカン(紋章彫刻)
ジェラール・デカン(紋章彫刻)

 

本展キュレーター、エレーヌ・ケルマシュターのメッセージ

 フランスの人間国宝や工芸作家の才能に焦点を当てた「フランス人間国宝展」は、時間と素材の芸術である工芸の多様性と豊かさと、手仕事や創造力の素晴らしさを日本の皆さんに紹介します。東京国立博物館の表慶館に出展する15人の工芸作家は、それぞれの分野で、創作の全工程を究め、常に完璧と革新を追求しながら、情熱的かつ献身的に仕事に打ち込んでいます。彼らは絶え間なく美を探究し、自然界から与えられた素材を作品に昇華しながら、人間と芸術の無類の冒険物語を紡いでいます。

 本展は、芸術とデザインの双方と対話しながら独自性を明確に示す、フランスの現代の創作活動を明らかにするという野心的な目標を掲げ、技能、伝統、革新を調和させる作家たちのノウハウと生涯を交差させて紹介します。その卓越した技能によって、極めて希少価値の高い称号「メートル・ダール(名匠)」(日本の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝にならい、1994年にフランスで創設)やリリアンヌ・ベタンクール「手の知性」賞を与えられた工芸作家の仕事や経歴を紹介しながら、彼らの作品を一堂に集めて展示します。いずれの作品にも、世界の理解に向けた歩み、自然への深い関心、時間をさかのぼる旅が表れているという共通点があります。時間をさかのぼって過去や伝統を参照することは、新しい技法や道具、創作法を考案する出発点にすぎません。

 鳥の羽根を満開の花に変える作家もいれば、陶器の茶碗の底に銀河を封じ込める作家もいます。金銀細工作家、羽根細工作家、べっ甲細工作家、ガラス作家、銅版彫刻作家など、いずれの工芸作家も素材を超越して、感動をつくり出し、新たな形で世界を魅了します。彼らは素材のさらなる探求を常に推し進め、作るという行為を見つめ直し、美を媒介する唯一無二の作品を生み出すとともに、受け継いだノウハウを進化させる責任と、それを後進に継承する高尚な任務を担っています。彼らは無形文化財や古くから受け継がれ、時として消滅の危機にさらされている技能の保持者であると同時に、何よりもまず、腕をみがき、道具を革新し、未知なるものへと進み続ける現代のクリエーターです。

 レバノン出身でフランスを拠点に活躍する建築家リナ・ゴットメが設計した展示空間は、「匠の技の道程」としてデザインされています。各展示室では、素材に手仕事を施して生まれた作品が、忍耐強く習得され、惜しみなく継承され、大胆に刷新された職人の所作や技術の貴重な証拠として見えるように演出されています。2010年にヨーロピアン・アーキテクツ・レビュー誌で「これからの10年間で先見性あふれる仕事をする建築家10人」に選出されたリナ・ゴットメは、本展のために、美と魅惑の世界、さらに驚きや反響、繊細なコントラストに満ちた鑑賞経路を生み出し、会場を感性に訴える空間に一変させました。

 本展の関連イベントとして、フランスの人間国宝が日本の専門家と対談するフォーラム(ガラス作家のエマニュエル・バロワと、著名建築家の伊東豊雄との対談など)、子どものためのアトリエ、ドキュメンタリー上映とトークイベント、学生や専門家向けのセミナーなどが、一般参加者を対象に開催されます。

ピック大使がオープニングセレモニーに出席(2017年9月11日)

 

開催概要 [1]

【会場】 東京国立博物館表慶館
【会期】 2017年9月12日から11月26日まで
【詳細】 フランス人間国宝展公式HP
【出展作家 [2]】 セルジュ・アモルソ、エマニュエル・バロワ、クリスティアン・ボネ、ファニー・ブーシェ、ロラン・ダラスプ、リゾン・ドゥ・コーヌ、ジェラール・デカン、ジャン・ジレル、ミシェル・ウルトー、ナタナエル・ル・ベール、シルヴァン・ル・グエン、ロラン・ノグ、フランソワ=グザヴィエ・リシャール、ネリー・ソニエ、ピエトロ・セミネリ

関連企画

 2015年にスタートした日仏対談シリーズ「ル・ラボ」の一環として、イヴ・サン=ローラン、ジャック・シラクなどを顧客に持つフランス唯一のべっ甲細工作家で、フランス人間国宝のクリスティアン・ボネと、日本を代表するデザイナー串野真也を迎え、「工芸とモードとのコラボレーション」をテーマとした対談が9月15日(金)、アンスティチュ・フランセ東京で開催されます。

[1【主催】 東京国立博物館、NHKプロモーション、朝日新聞、HEART & crafts
【後援】 フランス文化省、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、フランス国立工芸学院
【メセナ】 ベタンクールシュエーラー財団
【キュレーター】 エレーヌ・ケルマシュター
【空間デザイン】 リナ・ゴットメ
【制作】HEART&crafts代表 ガエール・デュプレ

[2本展の参加作家の中には、女性羽根細工作家のネリー・ソニエや、木版印刷壁紙の名工であるフランソワ=グザヴィエ・リシャールなど、ヴィラ九条山 に滞在経験があるアーティストも含まれます。ヴィラ九条山は、アンスティチュ・フランセ日本がベタンクールシュエーラー財団とアンスティチュ・フランセの支援を得て運営するアーティスト・イン・レジデンスです。

最終更新日 12/09/2017

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