マクロン大統領が第72回国連総会で一般討論演説 [fr]

 エマニュエル・マクロン大統領は9月19日、第72回国際連合総会で、一般討論演説を行いました。その中でマクロン大統領は、強く責任ある多国間主義の必要性を訴えました。

演説の一部抜粋

ニューヨーク、2017年9月19日

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 サン=マルタン島で暮らす私の同国人であるジュールを代弁して申し上げます。私は破壊された彼の家のこと、また何度も繰り返し起こるのではないかという彼の不安に思いを巡らせています。というのも地球温暖化によって災害が増加しているからです。世界の未来は地球の未来です。地球は人間の狂気に復讐し、自然は私たちに道理をわきまえるよう求め、人類と連帯の義務を果たすよう厳命しています。自然は交渉しません。自然を保護して自分自身を守るべきは人類です。気候変動は従来の南北対立を木っ端みじんに砕き、最も脆弱な立場にいる人がいつも真っ先に不公平の渦に巻き込まれ、中国からロシア、アフリカの角(ソマリ半島)、カリブ諸島に至るまで、私たち全員が気候の恐ろしい激高に見舞われています。

 わが国はこの総会で、パリで普遍的協定の成立を約束しました。それは達成され、この会場で署名されました。この協定は再交渉されることはなく、私たちを結びつけ、結集させています。協定を台無しにすることは、国家間のみならず世代間の契約を破棄することになります。新たな約束草案や新たな貢献で協定を充実させることは可能ですが、私たちは後退しません。私はアメリカの決定を心の底から尊重しますし、扉は常に彼らに向けて開けられている一方、私たちは各国政府とともに、世界中の地方自治体、都市、企業、NGO(非政府組織)、市民とともに、パリ協定の履行を続けます。私たちには、私たちのために、先駆者たちの力が、よりよい世界を築きたいと願う人たちの忍耐力、確信、エネルギーがあります。そうです、未来は回顧的だと信じたい人たちには気の毒ですが、このよりよい世界はイノベーションや雇用を創出します。

 私たちは約束草案を履行しながら、よりよい世界を直ちに築いていきます。フランスは自国をカーボンニュートラルへの道に導く気候プランを採択しました。官民資金を動員して具体的な解決策を中心に前進すると決意しているすべての人が一堂に会する会議を、12月12日にパリで開催します。私はこの場を借りて、フランスがこれに積極的に関与するため、今後2020年まで、気候に関する行動に年間50億ユーロを拠出することを確言します。私たちは本日午後にも世界環境協定の草案を発表し、ますます意欲的に取り組んでいきます。この協定の目標は、国連諸機関の支持を得て、来るべき時代の国際法を練り上げることです。一部に立ち止まりたい人がいるときに、私たちは前進を続け、先に進み続けなければなりません。というのも地球温暖化は止まらないからです。気候変動は止まりません。連帯と人類の義務に終わりはありません。

 皆さん、私たちが下す決定の一つひとつの後ろに、これらの声、これらの生活、私たちが守らなければならない人たちの目に見えない行列があります。というのも、ある日、私たち自身も擁護されたからです。これらすべての声が呼びかけています。私たちはなぜ彼らの声にもっと耳を傾けないのだろうか? 私たちはなぜ、かつて70年前に全人類に自分を信じる力を再び与えたこと、地球的責任、相互扶助の精神、進歩への信奉を実践できなくなったのだろうか? そうです、私が皆さんにバナやウスマーヌ、クアメ、ジュールのことを話すとき、私がわが国民のことを話すとき、それは貴国民のこと、貴国民一人ひとりのことを話しているのです。というのも私たちの利益や安全は、彼らのものでもあるからです! 私たちは今日も明日も運命共同体で、お互い同士が決定的に結びついています。世界の均衡は、そうです、近年根底から変化し、世界は再び多極化しました。それは私たちが対話の複雑さと同時に、その実り豊かさを再び学ぶ必要があることを意味しています。

 私たちの集団的行動は一部国家の不安定に遭遇しています。例えばリビアは、軍事介入から6年、私はこの総会で、この国が安定を回復するため、フランスの特別な責任を認めます。7月25日のラ・セル=サン=クルー会合によって、国連の後ろ盾の下で進められる政治的プロセスの成功に不可欠である和解を前進させることができました。私たちは国連事務総長と彼の特別代表の側に立って、2018年に国家の実質的な復興の始まりである選挙の実施にこぎ着けなければなりません。私はそれに全力を注ぎます。例えばベネズエラについて、集団的行動はこの国において、民主主義の尊重、すべての政治勢力の尊重を堅持するとともに、今日強まりつつある独裁的傾向に一切譲歩してはなりません。例えばウクライナについても、なされた約束を飽くことなく順守させ、実質的な停戦を可能にし、私たちが特にドイツとともに取り組んでいるように、対峙する当事者が国際法を順守することを徐々に可能にし、紛争の終結にたどり着かなければなりません。

 多国間主義は核拡散の脅威に対処することに苦労しています。私たちが永久に過ぎ去ったと思っていたにもかかわらず、今になって急に再び出現した脅威を払いのけられずにいます。例えば平壌は、それをわが物と主張しながら、軍事的緊張激化の重大な限界を超えました。脅威は直ちに、実存的に、集団的に、私たち全員にかかわっています。目下のところ、北朝鮮は交渉する意思を示す兆候を一切見せておらず、指導部はひたすら緊張激化に突き進んでいます。私たちならびに中国とロシアを含むすべてのパートナー諸国の責任は、毅然とした態度で、危機の政治的解決に向けた交渉のテーブルに(北朝鮮を)引き戻すことです。フランスはいかなる緊張激化も容認しませんし、対話が平和に役立つための条件が整えば、いかなる対話の扉も閉じることはありません。

 この同じ目標が、私をイランとの核合意を擁護するに至らしめています。私たちの核不拡散に関する取り組みによって、2015年7月14日に揺るぎない確固たる検証可能な合意を得ることができました。この合意はイランが核兵器を保有しないことを保証しています。今日、ほかに何も提案せずに合意を糾弾することは、重大な誤りです。合意を順守しないことは無責任です。というのも、悪循環の危険性が排除できない時代に、平和に役立つ極めて重要な合意だからです。これが私が昨日、アメリカとイランに表明したことです。

 私としては、私たちがこの合意を、イランの弾道ミサイル開発に関連する活動に枠をはめる作業や、2015年の合意が及ばない2025年以降の状況に枠をはめる作業によって補完することを希望します。いっそう意欲的に臨もうではありませんか。とはいえ、先般の合意によって安全がすでに確保されているものを台無しにすることは一切しないようにしようではありませんか。私たちが今日置かれている状況をよく見ようではありませんか。私たちは果たして、対話の欠如によって、北朝鮮の状況をよりよく抑止できたでしょうか? 一瞬たりともできませんでした。対話、監督、多国間主義が効果的な手段を備えているところはどこでも、それは有用です。それこそが私たち全員のために私が望んでいることです。

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ニューヨークの国連総会で日仏ハイレベル交流

 エマニュエル・マクロン大統領とジャン=イヴ・ル・ドリアン・ヨーロッパ・外務大臣は、それぞれ安倍晋三総理大臣と河野太郎外務大臣と会談しました。これらの会談では、とりわけ北朝鮮危機をはじめとする主要な国際問題が取り上げられました。

 

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最終更新日 17/01/2019

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