情報操作に反対するフランス [fr]

 エマニュエル・マクロン大統領とジャン=イヴ・ル・ドリアン・ヨーロッパ・外務大臣が、これまで行った情報操作に関する発言をまとめました。

ジャン=イヴ・ル・ドリアン・ヨーロッパ・外務大臣が元老院で行った演説(2018年4月16日)

 「アレッポを思い出してください。私たちは化学兵器攻撃はなかったと反論され、その次にありとあらゆる手段で調査が妨害されました。さらにドゥーマの住民は、西側の諜報機関と共謀して政権を非難したせいで毒ガスを浴び、命を犠牲にしたというのです。何という陰謀論でしょうか。あまりに操作しすぎ、自分自身を操作しています。これらすべては私たちを分断するため、もっぱら疑念を吹き込むことを目的としています」

ジャン=イヴ・ル・ドリアン・ヨーロッパ・外務大臣の閉会演説

国際会議「市民社会、メディア、公的当局:情報操作に直面する民主主義」(パリ、2018年4月4日)

ジャン=イヴ・ル・ドリアン・ヨーロッパ・外務大臣 - JPEG 「最も深刻な事例は、フェイクニュースがグローバル戦略の一部になったとき、ある国民を標的に設定し、体制そのものの不安定化を狙った戦略的行動となったときです。フェイクニュースという言葉はこの場合、適切でも十分でもありません。情報操作という言葉と置き換える必要があります。私は3つの基準に基づく情報操作の定義を提案します。第1に国家アクターだけでなく、非国家アクターも巻き込んで大々的に展開されたキャンペーンであること。第2に意図的に作られたフェイクニュースや偏向したニュースの大量拡散、自動化と連携によるウィルス性拡散であること。第3にこの戦略的行動が敵対的な政治的目的に応えるものであること。その目的とは支配、干渉、標的にした国、国民、体制の不安定化であり、それによって国や国民の選択の方向を変えさせ、意思決定の主体性や体制の主権を侵害することです。

 これらの策動の複雑さをよく見極める必要があります。この種のキャンペーンは本物の情報、歪曲された情報、誇張された事実、完全に捏造されたニュースを同時に組み合わせて行われます。フランス大統領選挙戦でエマニュエル・マクロン陣営のメールがハッキングされた事例や、その前にアメリカで民主党陣営のサーバーがハッキングされた事例のように、時としてニュースが不正に入手された情報に基づくこともあります」

エマニュエル・マクロン大統領の報道機関に向けた年頭演説(パリ、2018年1月3日)

エマニュエル・マクロン大統領 - JPEG 「これらのフェイクニュースが世界的規模の悪ふざけなら大したことではありません。しかし実際にはそこに、疑念を抱かせ、代替的真実を捏造し、政治家やメディアが言うことは大なり小なりいつもうそだと思わせることを狙った戦略、そのために資金が供与された戦略があります。巧みな逆転によって、嘘は人々に隠された真実、エリートによって、いかなるエリートであろうと、故意に隠された真実という強みで覆われます。そして証明責任が逆転します。ジャーナリストは自分たちが言うことを絶えず証明しなけばなりません。彼らの職業倫理そのものでもあります。真実を言っていること、書いていることを証明しなければなりません。一方、フェイクニュースの発信者は『われわれが間違っていることを証明するのはあなただ!』と公然と叫んでいます。

 というのも私たちは真実のいわば尺度として、容積測定、共有情報、情報を可能な限り広範囲に拡散する能力、疑念を方々に植えつける能力が定着するままにしたからです。陰謀論とポピュリズムの間で、実は共通の闘いが行われています。民主主義の運用への信頼を全面的に揺るがし、そこに落とし穴や目まぐるしく変わるまやかしがあることを気づかせることです。強硬なプロパガンダを援護するための戦略の標的とされているのは、皆さんであり、私たちなのです。

 このフェイクニュースの台頭は今日、先ほど触れた非自由主義の魅惑と完全に表裏一体の関係です。というのも、大抵の場合で資金源が同じであり、民主主義の弱点やその極めて高い開放性、そして選別する能力、序列化する能力、結局は権威の形態を認める能力がないことをいわばもてあそぶ勢力によって利用されているからです」

ジャン=イヴ・ル・ドリアン・ヨーロッパ・外務大臣の演説(2017年12月15日、エクス=アン=プロヴァンスの「ザキャンプ」で、フランス・デジタル国際戦略を発表)

 「第2の課題は、申し上げた通り、私たちの民主主義社会にとって新たな課題である、デジタル空間における標的を定めた意図的なフェイクニュースの拡散に適合した対応策を策定することです。

 デジタル時代に大幅に増大した情報の自由は、独裁政治にとって標的になり得ます。また強大国を含めたさまざまなアクターによる情報操作の手段にもなり得ます。フランスも含めた直近の選挙は、いずれもフェイクニュースの拡散やサイバー攻撃の影響を受けました。その目的は公の秩序を乱し、選挙投票の公正性を害するとともに、混乱、疑い、不和の種をまくことです。これは標的となった国の主権に対する侵害で、この容認し難い現象に対するプラットフォームの消極性が利用されています。私ははっきりと申し上げますが、消極性は無責任と紙一重です。

 デジタル空間の冷笑的な見方に突き動かされて、こうした情報操作を行う人は、開放性や情報通信の自由といった民主主義の基礎となる原則そのものを干渉や不安定化の手段とし、その矛先を民主主義に向けようとしています。私たちはプロパガンダの新時代を迎えています。情報操作はもちろん新しい現象ではありませんが、デジタル革命とそれが特に若者をはじめとする世論の情報収集方法に及ぼす波及効果が、情報操作に未曾有の影響力を与えています。そこに民主主義そのものに対する破壊的脅威がありますが、私たちはその重要性をまだ十分に認識していません。これらの干渉に対する対応は、政府当局の行動、企業の責任、市民社会とメディアの監視を必要とします。

 私はすべての関係アクターと具体的な作業の道筋を見いだし、私たちが取り得る国際的なイニシアティブについて検討するため、これらの問題をテーマとしたイベントを近く開催します」

プロのジャーナリズムとプロパガンダ

 エマニュエル・マクロン大統領は2017年5月29日、ヴェルサイユ宮殿で行ったロシアのウラジーミル・プーチン大統領との共同記者会見で、プロのジャーナリズムとプロパガンダの違いを説明しました。

最終更新日 26/04/2018

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