日本の再生可能エネルギーのイノベーションに貢献するフランス企業 [fr]

 ヨーロッパ持続可能なエネルギー週間(EUSEW)が6月4日(月)から8日(金)まで開催されます。ヨーロッパ委員会が主催・支援するこのイベントは、安全で効率的なクリーンエネルギーの未来を築くため、公的当局、民間企業、NGO(非政府組織)、消費者、その他すべてのヨーロッパのステークホルダーが進めるイニシアティブに焦点を当てることを目的とします。この機会に、フランス企業が日本の再生可能エネルギー導入拡大に貢献する最近の事例を紹介します。

国内で初めて駐車場に敷設されたブイググループの路面太陽光発電設備「ワットウェイ」
国内で初めて駐車場に敷設されたブイググループの路面太陽光発電設備「ワットウェイ」
徳島県阿波市の別埜池に設置されたシエル・テールの水上太陽光発電システム
徳島県阿波市の別埜池に設置されたシエル・テールの水上太陽光発電システム
イデオルの浮体式洋上風力発電施設
イデオルの浮体式洋上風力発電施設
© Ideol

 
 フランス企業は、日本の再生可能エネルギー導入拡大がもたらす好機をよく理解しています。日本列島はあらゆる気象・自然現象による不測の事態に左右されるとともに、森林と過密都市が点在する起伏に富んだ地形であるため、一見して再生可能エネルギーの飛躍的導入には向かないように思えます。しかしそれは大胆な発想による革新的ソリューションを生み出す原動力であり、国土全体を可能性の宝庫にしています。

 例えばフランスの大手企業ブイググループは、自社の路面太陽光発電設備「ワットウェイ」を神奈川県相模原市に最近オープンしたセブン-イレブンの駐車場に国内で初めて設置し、日本の報道機関から取材を受けました。この店舗では、カーポート上や屋上にも太陽光パネルを設置しており、店舗の使用電力の約半分を再生可能エネルギーで賄うことができます。他方、数多くの日本の池がフランスのシエル・テール社によって有効活用されています。同社は60カ所を超える水上太陽光発電所に設備を供給しました。国内最大の水上太陽光発電所(最大出力13.7メガワット)が今年3月、千葉県市原市の山倉ダム(貯水池)で稼動を開始したことで、このフランスの中小企業の日本における成功事例がまた一つ増えました。フランス国民議会のフランソワ・ド・リュジ議長は来日中の6月1日、この発電所を視察しました。日本が有する広大な海域も見逃せません。フランスのスタートアップ企業で、浮体式洋上風力発電のグローバルリーダーとなったイデオル社は、北九州市沖で実証設備を近く運転開始するために準備を進めています。2023年には日本で、このタイプとしては世界初となる商用プロジェクトに着手します。海洋分野の潜在力を利用するオープンハイドロ社は、日本企業とコンソーシアムを組み、2019年に長崎県で潮流発電の実証試験を開始します。

 これらのプロジェクトが独創的で革新的な技術に基づく一方で、フランスのエネルギー関連企業が従来型ソリューションによって日本で成功を収めた事例もあります。実例としてトタル社が2017年3月に運転開始した太陽光発電所と、ヴェオリア社が2016年に運転開始した太陽光発電所が挙げられます。

 水事業分野の老舗企業ヴェオリアは、日本で再生可能エネルギー関連事業の拡大に強い意欲を示しています。バイオガス発電所4カ所とバイオマス発電所2カ所が稼働中のほか、新たに2カ所のバイオマス発電所が2018年と2019年に稼動する予定です。エア・リキード社は日本の水素関連産業(再生可能資源から生産)で確固たる地位を確立する意欲を示し、経済産業省の主導による水素ステーション本格整備に向けた新たな協業に関する検討に、唯一の外資系企業として参加しています。

 フランス企業は再生可能エネルギーによる発電のほかにも、さまざまなエネルギー関連サービスを提供しています。ピーク電力需要対応を専門とするエナジープール社は、東京電力と緊密な提携関係を結んでいます。今年1月に首都圏が厳しい寒波に見舞われた際には、同社のソリューションの必要性と有効性が示されました。さらにエンジー社の日本事務所が今年初めに開設したことで、再生可能エネルギー発電分野とエネルギー関連サービス分野のフランスの供給力がさらに上がる見通しです。

 これらの民間企業のイニシアティブは、日仏当局間の極めて充実した対話を通して促進され、より高い価値を生んでいます。フランスの環境連帯移行省と日本の環境省は、環境保全型低炭素社会に向けて協力しています。日本の経済産業省や資源エネルギー庁とも定期的な意見交換を行っています。フランスと日本のエネルギー・環境技術の開発を担う公的機関である環境・エネルギー制御庁(ADEME)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、この分野における研究開発の優先課題をめぐって建設的な意見交換を25年以上続けています。

 これらすべての活動は、日本のエネルギー自立、日本の消費者のためのエネルギーコストの安定、2030アジェンダの持続可能な開発目標の達成、パリ協定の実現のために、日本のエネルギー転換に寄与したいというフランスの官民アクターの意欲の表れです。

最終更新日 08/06/2018

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