日仏討論会「高齢者のための未来都市とは?」開催報告 [fr]

 日本は世界で最も都市化の進んだ国の一つであり、最も平均年齢が高い国です。フランスは日本よりも人口動態に勢いがあるとはいえ、あと10年もすれば同様の問題に直面せざるを得ません。

© アンスティチュ・フランセ日本
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左から、ソフィー・ビュニク氏、園田眞理子教授、ピエール=マリー・シャポン氏
左から、ソフィー・ビュニク氏、園田眞理子教授、ピエール=マリー・シャポン氏
© アンスティチュ・フランセ日本
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 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本と日仏会館・フラス国立日本研究所は7月11日、この問題をめぐる意見交換を行うため、日仏会館ホールで日仏討論会を共催しました。

 この問題に関する2人の専門家が、日仏の展望をめぐって意見を交換しました。1人はフランスの地理学・地域整備学博士、社会学者で、高齢者に優しい地域イノベーション研究センター(CRITADA)所長のピエール=マリー・シャポン氏、もう1人は明治大学建築学科教授で、「福祉先進都市・東京の実現に向けた地域包括ケアシステムの在り方検討会議」元副委員長の園田眞理子氏です。日仏会館・フランス国立日本研究所の研究員で、地理学と都市計画を専門とするソフィー・ビュニク氏が、討論会の司会を務めました。東京都の代表者をはじめ、約100人が来場しました。

 園田、シャポン両氏は日仏の状況の違いを明らかにする一方、よりよい老後を送るために必要な3つの要素を強調しました。第1に高齢化社会に対応した地域整備、第2に高齢者の社会参加、第3に高齢者に対応した住宅です。両氏はとりわけフランスのレンヌをはじめ、これらの問題への対応策を都市計画に盛り込んだ都市の事例を紹介しました。

 園田氏は日本で一部の自治体が2014年より展開した「コンパクトシティ」の概念や、一部の地区におけるボランティア活動を基盤とした世代間の互助システム、空き家の地域交流施設への再利用などを紹介しました。

 そのほかにも多くの問題が取り上げられました。いわゆる「恵まれた」地域(交通機関やケアセンターが半径500メートル以内にある)への世帯間アクセス格差をはじめ、スポーツによって健康寿命を延伸する重要性、高齢者住宅への早めの住み替え、国または民間保険による介護費用の資金調達について極めて早期に検討する重要性、介護分野の人手不足、地域で多世代混住を維持する重要性、自動運転車が未来に開く明るい展望などです。

 2人の講演者は結論として、「高齢者」という概念そのものを問い直しました。健康でも65歳になれば「高齢者」なのでしょうか?「高齢者」という表現にはネガティブな響きがある一方、高齢者は社会にもたらすべきものが多くあるので、そのイメージを変える必要があります。高齢化社会に対応した都市づくりを長期的にじっくりと考えることは、すべての人の利益になります。それゆえに目標は、すべての人の尊厳を尊重し、可能な限り長く健康に暮らすことができる環境を醸成することです。

最終更新日 27/08/2018

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