第73回国連総会:フランスの立場を理解する5つのキーポイント [fr]
第73回国際連合総会が9月18日、ニューヨークの国連本部で開幕しました。
一般討論は9月24日に開始、10月1日に終了します。この機会に各国の首脳やハイレベルの代表が一堂に会し、優先課題を発表するとともに、グローバルな主要課題をめぐり意見交換を行います。
フランスは1945年に発足した国連の原加盟国の一つです。
フランスはアメリカ、イギリス、ロシア、中国と並んで安全保障理事会の常任理事国です。フランスは国連通常予算、平和維持活動予算ともに世界5位の分担金を拠出しています。
国連改革を支持するフランス
最近の危機で国連の中核的な役割が確認された一方、現在の世界の均衡をよりよく代表する、より効果的な国連にする必要性も高まりました。
フランスは国連の行動の有効性、運営の透明性、危機対応における即応性を高めるため、アントニオ・グテーレス事務総長が着手した一連の広範な改革を支持します。
フランスは国連総会で安保理改革をめぐる交渉において安保理拡大を主張しています。さらに2013年、大量残虐行為の場合には、常任理事国の集団的かつ自発的な約束の形で拒否権行使を制限することを提案しました。
フランスは平和維持活動(PKO)の能力と資金を強化し、目標達成能力を向上させるため、事務総長が2018年に着手したPKO改革を支持します。
「私はより責任ある、より効果的な、より機動的な国連を望みます。私は国連事務総長のプロジェクト、野心、国連を地球規模課題レベルに引き上げる意気込みを全面的に支持します」
エマニュエル・マクロン、フランス共和国大統領(2017年9月19日)
人権擁護に特に力を入れるフランス
フランスは人権分野で、常に特別な役割を果たしてきました。フランスは1948年12月10日にパリで署名された世界人権宣言に着想を与えました。この宣言は2018年に70周年を迎えます。
フランスは特に以下の事項に取り組んでいます。
- 死刑の普遍的廃止
- 恣意的拘禁および強制失踪
- 女性の権利の尊重
- 児童徴募との闘い
- 性的指向および性自認に基づく差別との闘い
フランスは新たな暴虐行為を防止するため、不処罰との闘いも支持し、国際刑事裁判所の設立に貢献しました。
環境保全と気候変動対策の先頭に立つフランス
フランスは国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)議長国として、とりわけ温室効果ガス排出量の「国別削減プラン」の定期的提出を通して、パリ協定の締結において牽引役を果たしました。
エマニュエル・マクロン大統領、アントニオ・グテーレス国連事務総長、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁は2017年12月、パリ協定の履行を加速し、地球温暖化対策に官民アクターを動員するため、第1回ワン・プラネット・サミットを開催しました。
さらにフランスは国連で、現下の課題に合わせて国際環境法の主要原則を強化する世界環境憲章案を掲げています。
政府開発援助で国際的な革新的資金メカニズムを推進するフランス
政府開発援助(ODA)はフランス外交政策の極めて重要な要素です。マクロン大統領は持続可能な開発目標(SDGs)達成に貢献するため、2020年までにODAの対国民総所得(GMI)比を0.55%に引き上げることを約束しました。
フランスは国際医薬品購入ファシリティ「ユニットエイド」に資金を調達する航空券税や、予防接種のための国際金融ファシリティなど、開発のための追加的資金源をもたらし得る、国際的な革新的資金メカニズムを推進するため、強力な外交活動を進めています。
平和と安全の維持のため、軍縮に関する重要な役割を果たすフランス
フランスは平和と安全の維持の分野で、軍縮に関する重要な役割を果たしています。
フランスは2008年に採択されたクラスター爆弾禁止条約をはじめ、多くの条約の策定に尽力しました。さらに核不拡散体制の堅持に積極的に取り組み、イランや北朝鮮に関する諸決議の採択で鍵となる役割を果たしました。
フランスとイギリスは1998年、包括的核実験禁止条約(CTBT)を他国に先駆けて批准しました。
フランスは核兵器用核分裂性物質生産施設の解体を決定し、実行した最初の国です。フランスは核兵器用核分裂性物質生産禁止条約の交渉に関する作業再開を支持しています。
フランスはPKOの分担金と予算に重要な貢献をしています。より一般的には、国際法とコンセンサスに基づいた国連のため、野心的かつ効果的な役割を粘り強く果たすよう努力しています。例えば、2003年のイラク危機では、一方的な武力行使に反対し、国連の中核的な役割を訴えました。