日仏文化交流講演会「国際観光をどう見るか」開催報告 [fr]

 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を東京とパリで控えるなか、大規模スポーツイベントの観光関連の課題をめぐる講演会が9月19日、フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、フランス観光開発機構、東洋大学の共催で開催されました。この日仏講演会には東洋大学の学生を中心に400人近くが集まりました。

ローラン・ピック駐日フランス大使
ローラン・ピック駐日フランス大使
© 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
アトゥー・フランス(フランス観光開発機構)のクリスチャン・マンテイ総裁
アトゥー・フランス(フランス観光開発機構)のクリスチャン・マンテイ総裁
© 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の小林麻紀広報局長
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の小林麻紀広報局長
© 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
パリ・イール=ド=フランス地方観光局のクリストフ・デクルー局長
パリ・イール=ド=フランス地方観光局のクリストフ・デクルー局長
© 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
東洋大学の福川伸次理事長
東洋大学の福川伸次理事長
© 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
東洋大学の学生をはじめ、400人近い聴講者が集まった会場
東洋大学の学生をはじめ、400人近い聴講者が集まった会場
© 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
講演会の登壇者と関係者
講演会の登壇者と関係者
© 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

 
 日本とフランスではオリンピック・パラリンピック競技大会が2020年と2024年に、ラグビーワールドカップが2019年と2023年に連続して開催されます。「観光はわれわれにとって、両国の関係を強化する機会とすべきです」と、ローラン・ピック駐日フランス大使は9月19日、東洋大学の講演会場に集まった学生400人を前に強調しました。東洋大学の福川伸次理事長に続いて、フランス観光開発機構のクリスチャン・マンテイ総裁、パリ・イール=ド=フランス地方観光局のクリストフ・デクルー局長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の小林麻紀広報局長が登壇し、それぞれの見解を紹介しました。

観光産業の活性化と低炭素社会への移行の加速化

 この講演会では、日仏両国が観光分野で掲げた野心的な目標を達成するため、両国間で経験を交換する重要性が強調されました。日本とフランスは2年後に外国人旅行者数をそれぞれ4,000万人、1億人にすることをめざしています。スポーツ競技大会は大量の旅行者を呼び込み、メディアが世界中に伝えることから、開催国にとっては観光産業を活性化する絶好の機会です。小林広報局長は開催都市の東京都だけでなく、日本全国を紹介する目的で、五輪の聖火リレーが東日本大震災の被災地を含めた全都道府県を巡るように計画したことを説明しました。ライブ中継される聖火リレーは、日本を近年襲った豪雨災害の被災者に希望のメッセージを伝えることも目的としています。

 その反面で、大規模スポーツイベントはインフラの更新をはじめ、持続可能な開発、セキュリティなど、数多くの課題も生みます。例えば、次回と次々回のオリンピック・パラリンピック競技大会は、長期的な視点に立って検討される中で、環境課題に重点を置く大会となる見通しです。例えば、東京では、メダルを製作するために使用済み携帯電話に含まれる金属がリサイクルされるほか、オリンピック選手村が大会後、未来派の居住地区に生まれ変わります。小林広報局長は東京がスマートシティへの移行を加速するための好機であることを強調しました。

フランス語を話す日本人ボランティアの応募促進

 物理的課題に加えて、世界中から大量に流入する旅行者に関連した人的側面も考慮に入れる必要があります。言葉の壁に対処するため、人工知能技術がもたらす多くの可能性が東京2020大会期間中に試されます。とはいえ、受け入れが最適な条件下で行われるには、ボランティアに対する教育と住民に対する啓発活動が最も重要であることに変わりはありません。

 大勢の日本人の若者が東京2020大会の成功に貢献するため、ボランティアになるように呼びかけられています。ボランティアはこの大規模イベントを当事者として「内側から」体験し、唯一無二の経験をする機会となります。ローラン・ピック大使は、フランス語を話す日本人ボランティアの応募を促すため、フランス大使館が支援する意向を表明しました。というのもフランス語は、オリンピック・パラリンピック競技大会の公用語だからです。ボランティアの募集は2018年9月末から12月まで行われます。

 講演会では経済的課題も取り上げられました。スポーツ競技大会は最初に大規模な投資が行われますが(スポーツ・ホテル関連インフラの建設)、多大な経済波及効果ももたらされます。マンテイ総裁によれば、フランスではラグビーワールドカップ2023で20億ユーロ、パリ2024大会で110億ユーロを見込んでいます。

 日本とフランスで近い将来開催される大規模スポーツイベントは、数多くの課題があるとはいえ、観光のおかげで、経済分野における魅力的な機会や特に若い世代の文化交流をもたらします。

最終更新日 02/10/2018

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