高松宮殿下記念世界文化賞、フランス人3人が受賞 [fr]

 第30回高松宮殿下記念世界文化賞授賞式が10月23日、東京・元赤坂の明治記念館で行われ、日本美術協会総裁の常陸宮殿下から、ピエール・アレシンスキー(絵画部門)、クリスチャン・ド・ポルザンパルク(建築部門)、カトリーヌ・ドヌーヴ(演劇・映像部門)のフランス人アーティスト3人を含む受賞者5人に顕彰メダルが授与されました。

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 高松宮殿下記念世界文化賞は1988年、芸術への支援で知られた故高松宮宣仁親王殿下の遺徳をしのんで創設されました。翌1989年に第1回授賞式が行われて以来、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の各部門で、芸術や文化の国際的発展に寄与する優れた業績を挙げた芸術家に毎年授与されています。

 今年はベルギー出身でフランス国籍も有する画家のピエール・アレシンスキー氏、日本人彫刻家の中谷芙二子氏、フランス人建築家のクリスチャン・ド・ポルザンパルク氏、イタリア人指揮者のリッカルド・ムーティ氏、フランス人女優のカトリーヌ・ドヌーヴ氏が、この権威ある賞を受賞しました。こうしてピエール・アレシンスキー、クリスチャン・ド・ポルザンパルク、カトリーヌ・ドヌーヴの3氏は、すでにそうそうたる顔ぶれが並ぶフランス人受賞者一覧に加わることになりました。具体的には、造形芸術家のダニエル・ビュレン、ピエール・スーラージュ、バルテュス、クリスチャン・ボルタンスキー、ニキ・ド・サン・ファール、セザール・バルダッチーニ、マルシャル・レイス、アネット・メサジェ、建築家のジャン・ヌーヴェル、ドミニク・ペロー、作曲家のアンリ・デュティユー、指揮者のピエール・ブーレーズ、ダンサーのシルヴィ・ギエム、演劇・映像部門のジャン=リュク・ゴダール、モーリス・ベジャール、マルセル・カルネ(敬称略)らです。

高松宮殿下記念世界文化賞記者会見(2018年10月22日)

 
 日本美術協会はこの賞の授与が次代を担う芸術家の励みとなり、芸術による国際的な協力と平和に寄与するよう願っています。受賞候補者は中曽根康弘元首相やドイツのゲーテ・インスティトゥートのクラウス=ディーター・レーマン総裁、フランスのジャン=ピエール・ラファラン元首相らの国際顧問によって推薦されます。さらに名誉顧問にはフランスのジャック・シラク元大統領、フランスの実業家フランソワ・ピノーらがいます。次いで日本美術協会の選考委員会が候補者の中から受賞者を選考します。

ピエール・アレシンスキー(絵画部門)

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 ベルギーを代表する90歳の現代美術家。1944年から4年間、ラ・カンブル国立美術学校で学び、1948年結成の国際的な前衛美術集団「コブラ(CoBrA)」(1951年解散)で活躍。その後、パリに移住。京都の前衛書道家、森田子龍と交流を深め、1955年に初来日。『日本の書』という短編映画を製作しました。書道の影響を受けた自由な筆さばきと、乾きやすいというアクリル絵具の特性を活かし、自身の内面を大胆に表現。鮮やかな色彩と、複雑かつ有機的、躍動感と生命感にあふれた線描で、独自のスタイルを確立しました。1960年と1972年にはベルギー代表としてヴェネツィア・ビエンナーレに出品。2016−17年には日本初の大規模回顧展が日本・ベルギー国交関係樹立150年を記念して東京と大阪で開かれました。最近、フランス国籍も取得し、ベルギーから初の世界文化賞を受賞しました。

クリスチャン・ド・ポルザンパルク(建築部門)

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 50歳の若さで、フランス人として初めて「建築のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を受賞するなど、フランスを代表する建築家・都市計画家。大胆なデザインと芸術的アプローチ、水彩画の画家としての側面を生かした想像力豊かな作風が特徴。パリやニューヨークで建築を学び、ミッテラン大統領(当時)のプロジェクトで、複数のコンサートホールや音楽博物館、居住区などを備えた『音楽都市』(1995)で一躍有名になりました。代表作に福岡市の『ネクサス集合住宅』(1991)、ニューヨークの超高層ビル『LVMHタワー』(1999)、コンサートホール『フィルハーモニー・ルクセンブルク』(2005)、リオデジャネイロの複合文化施設『芸術都市』(2013)、パリ郊外の屋内スタジアム『パリ・ラ・デファンス・アリーナ』(2017)など。現在、中国の『蘇州文化センター』(2019完成予定)に力を入れています。

カトリーヌ・ドヌーヴ(演劇・映像部門)

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 フランスを代表する女優。両親とも俳優の芸能一家に生まれ、中学生のころから映画に出演。ジャック・ドゥミ監督のミュージカル映画『シェルブールの雨傘』(1964)でかれんなヒロインを演じ、一躍世界的スターになりました。キャリアは半世紀を超え、出演作は100本以上。代表作は、ルイス・ブニュエル監督の『昼顔』(1967)、フランソワ・オゾン監督の『8人の女たち』(2002)など。ヌーヴェルヴァーグの旗手フランソワ・トリュフォー監督の『終電車』(1980)など。レジス・ヴァルニエ監督の『インドシナ』(1992)の演技では、2度目のセザール賞主演女優賞を獲得、『ヴァンドーム広場』(1998)では、ヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞しました。社会的発言も活発で、2018年1月、セクハラ告発運動「#MeToo」を批判する女性文化人の寄稿に参加し、注目を集めました。

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最終更新日 29/10/2018

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