エクス=ラ=シャペル仏独協力条約 [fr]

 エマニュエル・マクロン大統領とドイツのアンゲラ・メルケル首相は1月22日、新仏独協力統合条約に署名しました。署名式はドイツ・アーヘン(仏名エクス=ラ=シャペル)市庁舎の戴冠の間で行われました。

 エクス=ラ=シャペル条約は仏独の歴史的和解に大きく貢献した1963年のエリゼ条約の基盤の上に立って、フランスとドイツの間で一段と収れんを進めるという新しい目標をめざすとともに、両国が21世紀に直面する課題に立ち向かう準備をするためのものです。

 エクス=ラ=シャペル条約は、とりわけ経済政策、外交・安全保障政策、教育・文化、研究・技術、気候・環境の各分野において、さらに国境沿いの地方間や市民社会間の協力について、すでに緊密である仏独関係を一層強化することになります。このようにして仏独両国は、より主権を有する、より結束した、より民主的なヨーロッパの一環として、両国市民の安全と繁栄のための共通の取り組みを深化させることをめざします。

エマニュエル・マクロン大統領の演説

演説の抜粋

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 今日このエクス=ラ=シャペル条約によって、ドイツとフランスの間に新たな1ページが開かれます。われわれは和解の基礎の上に新しい段階を築きます。ヨーロッパが内部で拡大するナショナリズムに脅かされているとき、ヨーロッパが苦痛を伴うブレグジット(イギリスのEU離脱)に揺るがされているとき、気候変動、デジタル、テロリズム、移民など、世界やヨーロッパにおいて、ヨーロッパ・モデルをしばしば激震させ、われわれのアイデンティティを問い直す衝撃的事態など、国レベルを大きく超えた国際的な大変動をヨーロッパが憂慮しているとき、ドイツとフランスは責任を担い、道を示さなければなりません。野心への道、真の主権への道、諸国民の保護への道です。とりわけ両国は平和に暮らし、諸国民の未来を心配する成熟した諸国が、それらの諸国と大陸をより強くし、ひいてはより独立性を高める分野で収れんすることで、どれほど利益を得るかを示さなければなりません。というのも結局のところ、脅威は今日もはや隣国からやってこないからです。われわれが爆発寸前の怒りに対応できなければ、脅威はヨーロッパ域外から、われわれの社会の内部からやってきます。

 われわれは社会的ルール、イノベーション政策、規範、防衛、戦略文化の野心的な収れんによって、市民、若者、文化、自治体の新たな歩み寄りによって、これらの脅威に対する新たな連帯の表明によって、ヨーロッパのために仏独の新たな責任を手を携えて果たすことができます。

 〔・・・〕

 結束、連帯、団結、それがわれわれが署名した条約のモットーです。ヨーロッパは分裂を耐えて存続することはなく、そうなれば滅びることになるでしょう。ヨーロッパに対する仏独の新たな責任はそこにあります。防衛、安全保障、宇宙へのアクセスの分野、エコロジーやデジタルの転換に直面する移住の分野で、ヨーロッパに主権を行使する手段を与えることです。
仏独間の紛争により世界は戦火と流血に見舞われました。これに決定的な終止符を打つことがわれわれの義務でした。これはもうなされました。われわれ共通の野心は今では、ヨーロッパがわれわれの国民を世界の新たな騒乱から守る盾となることです。それこそが現代の挑戦です。

 〔・・・〕

 仏独和解の価値を忘れる人は、過去の犯罪の共犯者となります。歪曲する人やうそを広める人は、われわれの歴史や国民を苦しめます。彼らは人びとを守ると主張しながら、われわれの歴史に雄弁に語らせまいとしています。私はむしろヨーロッパを直視したいと思います。ヨーロッパは時としてうまく行きません。われわれの歩みは十分に速くないこともあります。とはいえ、われわれが過去数十年間に成し遂げたこと、過去数カ月間にさらに成し遂げたこと、われわれを待ち受けることも見てください。私はむしろ耐え抜くヨーロッパ、われわれが今日乗り越える段階以上に日々強化すべきヨーロッパを直視したいと思います。というのも今日の言葉は、近い将来にやってくる行為で満たす必要があるからです。というのも世界や市民一人ひとりがそれを必要とし、ますます不確かになり、ますます力強い答えを求めているからです。

 そうです、私はむしろ皆さんと一緒に、前進するヨーロッパ、われわれが野心をもって力強く築くヨーロッパ、この固い友情の上に、新しい収れんの上に、われわれが今日明文化したこの新しい野心の上に築かれるヨーロッパを見たいと思います。

 〔・・・〕

 

エクス=ラ=シャペル条約履行のための優先プロジェクトとは?

 フランスとドイツは15の優先プロジェクトを通して、エクス=ラ=シャペル条約を履行します。フォローアップは仏独閣議によって行われます。

1. ドイツが国連安全保障理事会非常任理事国を務める2年間、とりわけ仏独の安保理議長国の「連携」(フランスが2019年3月、ドイツが翌4月に務める予定、2020年は5月と6月または6月と7月)によって、安保理における協力を一段と拡大

2. 4つの仏独合同文化施設の創設(リオ、パレルモ、アルビール、ビシュケク)、フランスとドイツの5つの文化施設の同居(コルドバ、アトランタ、グラスゴー、ミンスク、ラマッラー)

3. 視聴覚コンテンツと情報を発信する仏独デジタル・プラットフォームを創設

4. 例えば仏独青少年局を通して、とりわけ研修生や実習生といった特定のニーズを持つ若者を対象に移動性プログラムを拡大するとともに、定量目標を設定

5. 市民社会アクターの共同プロジェクト、なかでも市民イニシアティブや姉妹自治体提携を支援するための市民共同基金を設立

6. 優先プロジェクトを選定するための共通戦略の定義、国境地域で遭遇した問題に対するフォローアップの実施、改善に向けた提案の表明を担う越境協力委員会を設置

7. フェッセンアイム原子力発電所が閉鎖されるなか、仏独経済活動・イノベーション地区ならびに越境移動、エネルギー移行、イノベーションの各分野のプロジェクトを通して、原発近接地域の土地利用転換に関する地域プロジェクトを共同実行

8. 越境連絡線を改善。例えば、現在進行中の実現可能性調査の結果に応じて、ライン川を渡る橋を再建してコルマールとフライブルクを結ぶ連絡線、ストラスブールとフランクフルト空港を結ぶ連絡線、ストラスブールとプファルツを結ぶ連絡線、ザールブリュッケンとパリを結ぶ連絡線など

9. とりわけエネルギーと気候変動のための国家プランについて、エネルギーと気候変動に関するハイレベル2国間協力を強化。これによって電源構成の推移に関する予測を共有し、両国の国家戦略に仏独共同プランを導入する可能性を検討するとともに、エネルギー移行に関する国家目標を達成し易くするための刺激を生み出す

10. 両国の既存組織を基盤として、人工知能のための仏独研究・イノベーション・ネットワーク(「仮想センター」)を創設

11. 宇宙分野の協力を以下3つの基本方針に沿って推進。1)新しい宇宙経済において、より革新的なヨーロッパのための共通戦略を促進、2)とりわけ最適化された産業環境において、宇宙産業の競争力を向上させるべく協力、3)研究開発投資、産業合理化、ヨーロッパの打ち上げロケットの選好によって、ヨーロッパの自立的な宇宙へのアクセスを強化

12. 新技術およびデジタル領域とデジタル社会の共通の価値観に関する倫理ガイドラインを国際レベルで促進

13. 「労働の未来」をめぐり、労使関係者を含めた、社会分野の専門家グループを設置

14. とりわけ持続可能な金融について、質の高い規制枠組みに到達するため、金融サービスと金融市場の分野においてヨーロッパ連合(EU)で協力

15. 両国の社会の転換プロセスをめぐる対話プラットフォームの形をとった仏独「未来のためのフォーラム」を創設

ナタリー・ロワゾー・ヨーロッパ問題担当大臣がエクス=ラ=シャペル条約を紹介(フランス語)

新仏独協力統合条約の全文

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フランス語版をダウンロード
(PDF - 203.8 kb)
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ドイツ語版をダウンロード
(PDF - 86.1 kb)

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最終更新日 24/01/2019

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