「ヨーロッパ再生のために-自由、保護、進歩」 [fr]

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 「第2次世界大戦以降、ヨーロッパがこれほど必要だったことはいまだかつてありません。にもかかわらず、ヨーロッパがこれほどの危機にひんしたことはいまだかつてありません」

 エマニュエル・マクロン大統領は3月4日、ヨーロッパ議会選挙を数週間後に控える中、ヨーロッパ連合(EU)全紙を通じて、すべてのEU市民に訴えかけました。というのも、われわわれが緊急を要するとき、選択のときを迎えているからです。EU市民は5月23日から26日まで、自分たちの代表を選出し、EU諸機関が刷新されます。同時に、史上初めて、1国がEUから脱退しようとしています。ブレグジットはヨーロッパ各地で渦巻く怒りの表れです。この怒りに対する答えは、代替案なきヨーロッパ拒絶の中にはありません。このナショナリスト的な撤退は、追加的な保護や主権をヨーロッパの人々に一切もたらしません。とはいえ現状は耐えられません。自由、保護、進歩というヨーロッパの魂を取り戻し、EUの再構築を加速させる必要があります。

 マクロン大統領は今回のメッセージを通して、ソルボンヌ大学で行った演説の精神に沿った具体的な提案に基づくヨーロッパ再生のビジョンを掲げるとともに、われわれのヨーロッパにとって決定的なときに、市民に結集を呼びかけることを望みました。

われわれの自由を守る

  1. EU加盟国の選挙プロセスをサイバー攻撃や世論操作から保護するため、ヨーロッパ民主主義保護機関を創設
  2. 既存のEU法を強化し、外国勢力からヨーロッパの政党への資金供与を禁止
  3. テロリストのプロパガンダのみならず、すべての憎悪と暴力の言説(人種主義、反ユダヤ主義、児童ポルノなど)をインターネット上から排除

われわれの大陸を保護する

  1. シェンゲン圏の参加国が、ヨーロッパ域内安全保障理事会の管轄下で、責任義務(厳格な国境管理)と連帯義務(同一の受け入れ・拒否ルールを伴う同一の庇護政策)を遵守するよう、シェンゲン圏を徹底的に再検討
  2. 軍事費や侵略された場合の具体的な連帯に関する野心的な約束リストを伴うヨーロッパ防衛・安全保障条約を制定、最も野心度が高い国が集まるヨーロッパ安全保障理事会を設置
  3. ヨーロッパの主要プレーヤーを出現させ、われわれの基準(例えば環境基準)を保護するとともに、真の互恵性を確保するため、われわれの貿易政策と競争政策を改革しつつ公正な競争を確保

進歩の精神を取り戻す

  1. 同一職場・同一報酬および各国に適合した最低賃金を保障するため、「社会的な盾」を創設
  2. 野心的な目標を設定し(2050年に炭素ゼロ、2025年に農薬半減)、われわれの手段を適合させつつ(ヨーロッパ気候銀行、ヨーロッパ衛生隊、有害物質を科学的に評価する独立機関)、気候と健康のための取り組みを強化
  3. EUをイノベーション列強にします。次期多年次財政枠組みによって、人工知能とヨーロッパ・イノベーション会議のための資金調達が増えなければなりません。EUは金融機関に対するように、巨大デジタル企業に対するヨーロッパの監督体制(競争の侵害に対する加速度的な制裁、アルゴリズムの透明性など)を創設し、規制力を発揮しなければなりません。

 必要な改革とその支柱(新しい法律、条約改正など)を特定するため、EU諸機関の代表者が一堂に会し、市民パネルも参加するヨーロッパのための会議が2019年秋より開催され、EUのためのロードマップを提案する見通しです。

最終更新日 05/03/2019

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