仏独外相共同寄稿「多国間主義は時代遅れではない」 [fr]

 ジャン=イヴ・ル・ドリアン・ヨーロッパ・外務大臣とドイツのハイコ・マース外務大臣の共同寄稿文が11月12日、フランスのフィガロ紙に掲載されました。

 ヨーロッパは1年前、パリ平和フォーラムが開幕したとき、第1次世界大戦休戦100周年を祝っていました。私たちは今日、ベルリンの壁崩壊30周年の直後に第2回フォーラムの開会式に出席します。

 この2つの出来事の間に、心揺さぶる歴史の縮図があります。前者は20世紀の2度の悲惨な大戦の1つ、ヨーロッパが主戦場となった第1次世界大戦に終止符を打ちました。後者は70年後にようやく私たちの大陸の和解と、共通の運命を手を携えてつくり上げる可能性を期待させました。

 この2つの記念日の間の共鳴は、ヨーロッパが最もつらく厳しい分裂を乗り越えて、廃墟から復活できることを思い起こさせます。これは民主主義を保証し、あれほどまでに引き裂かれた諸国間に平和を定着させた未曾有の成果であるヨーロッパ連合の正しさを認めるものでもあります。それだけでもなぜ私たちヨーロッパ人が、多国間システムの中核である価値観を擁護するために最前線に立つのかを説明するに足ります。多国間主義は諸国間の協力によって世界の諸問題を解決する1つの方法であるばかりではありません。それは啓蒙の遺産、合理性の選択、法規範の遵守、共通の進歩の追求に基づいた世界秩序像、人類像でもあります。これらの原則の名において、私たちは世界中のパートナーに対し、多国間主義とその象徴的な機関である国際連合を疑問視し、打撃を与える派手な動きに対抗するため、私たちと軌を一にするよう呼びかけます。

 世界が暴力と不平等に苛まれ、環境上の緊急事態にあり、空前の技術革新に直面する中、そこに恐らく驚くに値するパラドックスがあります。というのも明らかに、共通の課題には共通の答えが必要だからです。しかし私たちはもはや驚いている時間がありません。私たちは行動しなければなりません。

 私たちは刷新された多国間主義、より包摂的な多国間主義、今日重要であるすべてのアクター、すなわち国だけではなく経済界のアクターや市民社会の代表にも開かれた多国間主義の礎を築きはじめました。これが多国間主義アライアンスが希求するところです。

 今年9月に国連総会の枠外で開催された第1回多国間主義アライアンス閣僚級会合の成功は、多国間主義が単なる作業方法という以上に、守るべき共通の財産であると考える人が大勢いることを示しました。すべての大陸の50カ国以上の外務大臣が、今では私たちの側に立っています。

 これは新しい国際機関ではなく、グローバルガバナンスを強化し、私たちが共同で守るべき利益や価値観(人権と国際人道法、集団安全保障、不平等の是正、未来のテクノロジー、グローバル公共財、中でも最前線にあるのが言うまでもなく気候変動)にかかわる問題に、具体的な解決策をもたらす決意のある世界の全地域の外務大臣による柔軟なネットワークです。

 多国間主義アライアンスは今日、パリ平和フォーラムに際して会合を開催し、デジタル空間の規制という重要課題を取り上げます。この国境なき空間は、適応したルールがないため、これまでにないタイプと規模の無法地帯になる恐れがあります。個人の私生活への侵害や死活的に重要なインフラを狙った攻撃、産業スパイ行為、情報操作、オンラインヘイトスピーチが増えていくのを見たくないのであれば、21世紀の原則とツールを考案するために協議しなければなりません。デジタル革命が自由、交流、繁栄をもたらすという約束を果たすため、国、業界大手グループ、国際機関、ジャーナリスト、市民社会など、私たち全員が演じるべき役割があります。

 さまざまな形式や形態で集まるアライアンスは12月10日、国際人権デーに際してベルリンで次回会合を開きます。次いでミュンヘン安全保障会議の枠外で再び会合を開きます。

 一部の国が脱退するから、ほかの国が国際機関を自国の目的のために道具化するからという理由で、多国間主義を放棄すれば、セーフティーネットなき世界で生きることを容認することになります。分裂の代価を歴史に教えられた私たちフランスとドイツ、より広義に私たちヨーロッパ人は、この後退に逆戻りすることはできません。私たちのパートナーも同様です。私たちは依然として、はるかに多数なのです。

多国間主義アライアンス公式ホームページはこちら

最終更新日 13/11/2019

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