ヨーロッパ歴史教育観察機構の設立に向けて [fr]

 フランスはヨーロッパ評議会閣僚委員会議長国(5月17日-11月27日)として、パートナー諸国とともに、ヨーロッパ歴史教育観察機構の設立を提案しました。フランスが11月26日にパリで開催した教育大臣会合で、23カ国がこの計画に支持を表明しました。

歴史を教える、平和を教える

 65年前に締結されたヨーロッパ文化条約には、ヨーロッパ諸国民間の相互理解を増進することで、ヨーロッパ評議会加盟国の共通遺産である理想と原則を保護し、推進するため、加盟国間のより緊密な団結に向けて前進することができると明記されています。それゆえに歴史教育に関するヨーロッパ諸国民間の交流と協力は、決定的な役割を果たします。

 カリキュラムと教育方法は国ごとに大きく異なります。批判精神に恵まれ、社会生活に参加する能力を備えた模範的な市民を育成するには、それぞれを対話させたり、時には比較対照したりすることが必要です。

 20世紀には好戦的な言説を糧にした偏った歴史観がナショナリズムの拡大と、ヨーロッパ大陸が経験した最悪の戦争を招く一因となりました。今日では人種主義、外国人嫌悪、反ユダヤ主義を扇動する言説がヨーロッパ各地で、特にインターネット上に再び出現しています。それにより諸国民間の和解を促進するために求められたヨーロッパ・プロジェクトが、再び脆弱化しています。ヨーロッパの歴史はヨーロッパ共通の遺産であり、分裂ではなく歩み寄るためのものであるべきです。

 記憶を対話させ、見解を比較対照することは、平和と諸国民間の歩み寄りを推進する強力な手段です。

和解したヨーロッパのための歴史教育観察機構

 こうした懸念に応えるため、フランスとパートナー諸国はヨーロッパ歴史教育観察機構の設立を提案しました。この観察機構案は、エドゥアール・フィリップ首相から評価任務を委任されたアラン・ラマスール氏による勧告です。観察機構はヨーロッパ評議会の拡大部分協定の形をとります。これは同評議会内の一種の特別協力枠組みで、希望するすべての国や関係国際機関がこのイニシアティブに加わることができます。

 観察機構の目的は、単一の歴史観を押しつけることではありません。それとは反対に、ヨーロッパ各地の学校で行われる我々の過去に関する教育方法について、中立的で客観的な現状報告書を作成し、専門家やカリキュラム責任者がこの問題をめぐって意見交換を行えるようにすることです。そうすることで議論を引き起こし、歴史教育に関するグッドプラクティス事例の共有と普及につなげます。ヨーロッパの共通認識の強化を促進する一つの手段です。

 観察機構案は11月12日、パリ平和フォーラムの関連イベント「歴史を教える、平和を教える:ヨーロッパにおける記憶の対比と調和」で発表されました。このイベントにはジャン=ミシェル・ブランケール国民教育・青少年大臣、アメリー・ド・モンシャラン・ヨーロッパ問題担当副大臣が出席しました。

 フランスが11月26日にパリで開催した教育大臣会合で、23カ国がこの計画に支持を表明しました。フランスは計画始動段階に資金を提供するため、ヨーロッパ評議会予算に20万ユーロを特別に拠出しました。

11月12日のパリ平和フォーラム関連イベント「歴史を教える、平和を教える:ヨーロッパにおける記憶の対比と調和」
11月12日のパリ平和フォーラム関連イベント「歴史を教える、平和を教える:ヨーロッパにおける記憶の対比と調和」
© Judith Litvine / MEAE
11月12日のパリ平和フォーラム関連イベント「歴史を教える、平和を教える:ヨーロッパにおける記憶の対比と調和」
11月12日のパリ平和フォーラム関連イベント「歴史を教える、平和を教える:ヨーロッパにおける記憶の対比と調和」
© Judith Litvine / MEAE
11月12日のパリ平和フォーラム関連イベント「歴史を教える、平和を教える:ヨーロッパにおける記憶の対比と調和」
11月12日のパリ平和フォーラム関連イベント「歴史を教える、平和を教える:ヨーロッパにおける記憶の対比と調和」
© Judith Litvine / MEAE

最終更新日 27/11/2019

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