パスツール研究所へ派遣されるポスドク奨学金プログラム受給者、ピック大使と面会 [fr]

 パスツール研究所、在日フランス大使館、日本パスツール財団が共同出資するポスドク奨学金プログラムの最初の受給者に選ばれたセヴェール・ヴァンサン博士が12月11日、ローラン・ピック駐日フランス大使と面会しました。ヴァンサン博士はこの奨学金のおかげで、フランスのパスツール研究所の島川祐輔博士が率いる研究チームに参加し、B型肝炎ウイルス感染の迅速診断技術の開発に取り組むことができます。

 世界中のB型肝炎ウイルス(HBV)根絶をめざす世界保健機関(WHO)の目標に応えるには、妊婦の診断を迅速かつ安価で実施し、母子感染を防止しなければなりません。妊婦がウイルスを持っている場合、妊娠中に抗ウイルス治療を行う必要があります。HBV感染は特にサブサハラ・アフリカ地域をはじめとする世界中の重大な健康問題です。

 ヴァンサン博士は2020年3月から2年間、ポスドク奨学金受給者としてパスツール研究所に派遣され、アフリカの研究機関(ダカール・パスツール研究所、ミュラーズ・センター)、日本の研究機関(国立国際医療研究センター、名古屋市立大学)、日本企業(栄研化学、富士レビオ)と協力しながら、セネガルとブルキナファソで、この診断技術の実施可能性と有用性の評価に取り組みます。

 ポスドク奨学金プログラムの第1回公募は、日本とフランスの研究者間の交流を通じて日仏科学協力を強化したいというパスツール研究所、在日フランス大使館、日本パスツール財団の3者共通の意思によるものです。

 現在34歳のヴァンサン博士は2011年から翌12年まで、ハイチのサン=タントワーヌ・ド・ジェレミー病院で臨床実習を行った後、2012年にキューバのサンティアゴ・デ・クーバ医科大学で医師免許を取得しました。次いで2015年、日本の筑波大学で公衆衛生学修士課程を修了。2019年に筑波大学で、日本の栄研化学と協力してハイチの農村地域で試験することができたマラリア迅速診断技術の開発に関する論文で博士号を取得しました。

ジャンヌ・ペルペチュ・セヴェール・ヴァンサン博士 - JPEG

パスツール研究所とその国際ネットワーク

 1887年にルイ・パスツールによって設立された公益財団「パスツール研究所」は今日、世界33研究所・提携機関とネットワークを形成する国際的に著名な生物学・医学研究機関です。フランスと世界で疾病の予防・根絶の使命を果たすため、研究、公衆衛生、教育・訓練、研究の実用化推進の4分野で活動を展開しています。

 パリの研究所では2,500人以上が働いています。感染症、微生物学、免疫学の分野で世界的なリーダーとして認められるパスツール研究所は、一部のがん、遺伝性疾患、神経変性疾患、ゲノミクス、発生生物学などの研究にも取り組んでいます。これらの研究は生物に関する知識を向上させ、新しい予防法や治療のイノベーションの発見や開発につながっています。これまでパスツール研究所の所属研究者10人がノーベル医学賞を受賞しました。直近では2008年、エイズの原因であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)を1983年に発見した研究者が受賞しました。

「ジャンヌ・ペルペチュ・セヴェール・ヴァンサン博士は34歳ですが、すでに目を見張るような研究経歴の持ち主です。マラリアに関する研究に続いて、今度はB型肝炎ウイルスの母子感染予防に貢献する迅速診断技術の開発に取り組みます。特にサブサハラ・アフリカ地域をはじめとする世界の重大な健康問題への対応につながるパスツール研究所との今後の研究の大いなる成功を祈念します」-ローラン・ピック駐日フランス大使

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最終更新日 31/12/2019

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