フランス人浮世絵師ポール・ジャクレー没後60年記念「ポール・ジャクレー全木版画展」 [fr]

 軽井沢を愛したフランス人浮世絵師ポール・ジャクレーの没後60年を記念した特別企画展「ポール・ジャクレー全木版画展」が8月1日(日)から10月31日(日)まで、長野県の軽井沢町追分宿郷土館で開催されます。

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《馬の鈴草、トンダノセレベス島》
© ポール・ジャクレー

 ポール・ジャクレー(1896-1960)はパリで生まれ、3歳で来日して以来、生涯の大半を日本で過ごしました。池田輝方らの大家に師事し、1933年に東京に若礼版画研究所を設立。浮世絵にインスピレーションを受けながら作品を制作し、自身も浮世絵師として認められるようになりました。

 多くの画家たちと違って、ジャクレーの作品モチーフは日本の国内にとどまりません。彼は戦前のアジアやオセアニアを巡りながら、自らが訪ね歩いた遠い国に暮らす人々の肖像画を多数制作し、多色摺木版画にしました。さらに、戦後も1954年10月から1955年4月まで、香港、シンガポール、オーストラリア、タヒチを巡った取材旅行に出かけ、アジアと太平洋の現地の住人を描いた鉛筆デッサン120点を残しましたが、画家の死によってそれらが多色摺木版画として世に出されることはありませんでした。高い美的価値と民族学的価値を持つポール・ジャクレーのの作品は、これらの世界を見事に表現しています。

 ポール・ジャクレー没後60年を記念した特別企画展が8月1日(日)から10月31日(日)まで、軽井沢町追分宿郷土館で開催されます。ジャクレーは1944年に軽井沢に疎開し、戦後も東京に戻ることなく、1960年に64年の生涯を閉じるまで暮らしました。本展はポール・ジャクレー全木版画162点を2期(1934年から1942年まで、1947年から1960年まで)に分けて紹介します。展示作品入れ替えのため、9月13日(月)と14日(火)は休館となります。

 関連イベントとして、「ポール・ジャクレーと軽井沢」をテーマにしたミニ・シンポジウムが8月1日(日)に開催されます。稲垣・ジャクレー=テレズ氏(遺族・養女)、富田聖三氏(遺族)、大藤敏行氏(軽井沢高原文庫副館長)、柴崎雅寿氏(ナショナルトラスト代表理事)がパネラーとして参加し、猿渡紀代子氏(美術史家、元横浜美術館学芸員)が司会を務めます。なお、クリスチャン・ポラック氏(日仏交流史研究家)の講演は延期になりました。詳細は後日改めて軽井沢町ホームページで告知されます。軽井沢とポール・ジャクレーとの間には強い結びつきがあり、ジャクレーはこの地に構えたアトリエで、取材旅行中に出会った人々を緻密かつ色彩豊かに描いた木版画を制作したのです。

 ポール・ジャクレーのご遺族は、フランスにおいてこの芸術家の業績を後世に伝えるため、ケ・ブランリ・ジャック・シラク美術館(2013年)とフランス国立図書館(2011年)に貴重な作品を寄贈しました。

開催概要

会期:2021年8月1日(日)~10月31日(日)、9月13日(月)と14日(火)は休館
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
会場:軽井沢町追分宿郷土館 
389-0115 長野県北佐久郡軽井沢町追分1155-8
軽井沢町公式ホームページ

最終更新日 30/07/2021

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