免疫学者アラン・フィッシャー教授がフランス大使館で講演 [fr]
在日フランス大使館は3月8日、G7広島サミットに先立って開催された「Gサイエンス学術会議2023」に出席するために来日したフランス科学アカデミー会長のアラン・フィッシャー教授を招いて、遺伝子治療の展望に関する講演会を開催しました。
アラン・フィッシャー教授はフランスの小児科医、免疫学と遺伝子治療の分野で世界的に著名な研究者です。コレージュ・ド・フランス教授、2002年からフランス科学アカデミー会員を務め、2021年に同アカデミー会長に就任しました。2020年、フランスの新型コロナウイルスワクチン戦略指針評議会議長に任命。2015年に権威ある「日本国際賞」も受賞しています。
フィッシャー教授は3月7日、フランス科学アカデミー会長として「Gサイエンス学術会議2023」(S7)に出席しました。S7は毎年、G7各国科学アカデミーの代表者が参集して、重要な科学的課題に関する共同声明を取りまとめる国際会議です。S7メンバーは声明の中で、現下の多重危機(気候変動に伴う自然災害、新型コロナウイルス感染症パンデミック、ウクライナ戦争)に懸念を表明しました。これらの危機は相互に関連し、人間のウェルビーイング、経済、生態系の悪化リスクを増大させています。そこでS7メンバーは1)気候変化に伴うシステミックリスクへの対応、2)高齢者の健康増進とより良いウェルビーイングの実現、3)海洋と生物多様性の再生・回復の3つの優先分野に関する提言を発表しました。
会議の翌日、フィッシャー教授による講演会「遺伝子治療の展望」が在日フランス大使館で開催されました。講演会には内閣府、厚生労働省、文部科学省、科学研究費助成事業関連機関の関係者のほか、フランス、日本、アメリカ、オーストラリアの研究者など、40人以上が参加しました。講演に続いて、聴取者との意見交換が行われ、遺伝子治療にとどまらず、科学界と市民社会の信頼関係にも議論が及びました。