オランド大統領が魅力戦略会議で演説 [fr]

 フランソワ・オランド大統領は2月17日、パリのエリゼ宮で国際企業30社の経営者と関係閣僚を集めて開催された魅力戦略会議の後、次のように演説を行いました。

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© Présidence de la République - C. Alix

 各国の企業経営者の皆さま、

 昨夜は首相を中心に長時間にわたる晩餐会において、本日も午前中を通して、ここに列席している政府閣僚と話し合うために、ご足労をいただき誠にありがとうございます。我々はこの信頼を必要としています。というのも対仏投資があるたびに、外国から進出される企業と我が国との間に生まれる関係の証があるからです。

 ここに20カ国を代表する30社を超える企業がご出席され、中にはネスレ、ボッシュ、ゼネラル・エレクトリック、ボルボ、アデコなど、フランス進出歴何十年という企業もいらっしゃいます。他方、多くの企業は過去数年間にフランスへの進出を選択されました。

 フランスに進出した外国企業は2万社を数えます。外国企業の雇用数は200万人で、商業部門に従事する賃金労働者の7人に1人は外国企業の従業員となります。外国からの対仏投資は年間200億ユーロ近くに上り、投資総額の10%が対仏投資によるものです。

 フランスは世界に開かれた国、魅力ある国です。我々が経験した特にヨーロッパにおける危機の時期でも同様でした。2013年の外国からの投資決定件数は700件近くに上りました。これらの決定のおかげで、これらの進出先の選定のおかげで、昨年は2012年の雇用創出数を上回る3万人の雇用が生まれました。2012年は2万6,000人にとどまりました。それゆえにフランスは魅力ある国であり、これからその例証をいくつか挙げます。

 トヨタは同社の北米市場向け1車種の生産の一部をヴァランシエンヌに移転し、ヴァランシエンヌで生産が行われています。2002年よりフランスに進出しているモロッコのEMS社は、一大工業地域であるシャンパーニュ=アルデンヌ地域圏のスダン市近郊ドゥージに拠点を置く決定をしました。320人の雇用が創出される見込みです。世界的企業IBMはリールに、従業員700人のヨーロッパ・サービス・センターを開設しました。

 タイのダブルA社はルーアン市近郊アリゼの製紙会社を5,000万ユーロで買収しました。この会社は廃業せざるを得ないと発表していましたが、この投資のおかげで今日も事業を継続することができています。クボタは2013年、トラクターを生産するためにノール県に進出することを決めました。というのも我が国が農業大国であるからで、投資額は4,000万ユーロ、雇用創出数は140人です。こうした例は枚挙にいとまがありません。

 そこから一つの結論を引き出すとすれば、フランスはその地位を堅持できたというだけでなく、魅力向上に一層努めるべきであるということです。というのも、魅力は何よりもまず国際収支均衡のために重要な課題だからです。資本が進入することで、我々も外国に投資できるようになります。ここに出席しているフランス企業は輸出を拡大するため、外国に大規模に投資しています。

 魅力は成長と雇用にとっても課題です。対仏投資が増えれば、より多くのテクノロジーが我が国の経済に組み込まれます。ひいては輸出拡大につながります。

 さらに魅力は信頼の合図であり、我が国にとって自信の証です。我々はフランスに参入する資本を恐れてはいません。我々は自国を保護したいとは思いません。我々は自国の利益に固執した偏狭な考えを持ち合わせていません。我々は資本移動性――フランスの対外投資、外国の対仏投資――が一国の成功の一部を成すとさえ考えています。

 我々が立ち向かうべき挑戦とは何でしょうか。我々は数時間を共に過ごしながら、極めて有益な話し合いを持つことができたと申し上げなければなりません。この話し合いによって――これも申し上げるべきですが――我々の多くの直感や趣旨を確認できました。

 最初の挑戦は、より多くの新興国から投資を誘致することです。今年、新興国からの対仏投資決定件数は全体の約10%にとどまり、極めて低い水準です。これらの国は極めて活力があり、成長も著しく、フランスにより一段と進出すべきです。これらの主要新興国を訪問するたびに、私は同じように訴えています。それは我々には開かれた経済が必要だということです。それはいずれの国にとっても価値あることです。それゆえに我々は、新興国からの投資をより一層受け入れる用意があります。

 その実例として、ブラジルの大手企業ITCがロワシーに本格的なビジネスセンターを開設する決定をしたことを歓迎します。6億5,000万ユーロ規模のプロジェクトで、イール=ド=フランス地域圏に2,000人の雇用を生み出します。この場を借りて同社の代表者に敬意を表します。

 魅力に関する第2の挑戦は、国土全体をカバーできるようにすることです。首都パリが決定的な切り札であることは確かです。2012年以来、すなわち過去2年近くで、パリは魅力を向上させました。というのも世界で最も魅力的な都市ランキングで、我が国の首都は6位から4位に躍進したからです。

 いわゆるイール=ド=フランス地域圏には活力、活気があります。しかしながら我々は、世界中からの投資がフランス国内各地に進出できるようにしたいと考えています。我々は2013年、外国からの対仏投資による雇用の80%がイール=ド=フランス地域圏以外の地域圏、とりわけローヌ=アルプ、プロヴァンス=アルプ=コート=ダジュール、ミディ=ピレネ、ノール=パ=ド=カレ、アルザスなどで創出されるようにしました。ほかにも多くの地域圏を挙げられるようになると思います。投資によって国内全土が活性化されるべきです。

 魅力に関する最後の挑戦は、イノベーションと研究の活動をより一層誘致することです。これらの投資もフランスでは大幅に増加しています。パリに暗号研究センターを開設することを決定したランバスが挙げられます。ハイテク企業のセールスフォースは、私がアメリカを訪問した際、フランスにデータセンターを新設することを確認し、同社による雇用が200人から300人に増える見通しとなりました。こちらにいらっしゃる楽天の三木谷社長は、パリにアルゴリズムに関する基礎研究室を開設する意向です。サムスンは2013年、ソフィア・アンティポリスでエンジニア110人を募集することを決定しました。我々はこうした動きがさらに広がることを望んでいます。というのも、我々はテクノロジーを中心にここに集結すべきだからです。

 この観点から、テクノロジーに関する投資の原動力の一つであった研究開発税額控除が、向こう数年にわたり聖域化されるだけでなく、イノベーションにも対象が拡大されることを改めて確認します。

 とはいえ、魅力は競争力と切り離すことができません。我々の意見交換からもわかったことです。外国からの投資を誘致する意欲は、より包括的な政策の中に組み込まれなければなりません。我が国のために私が発表し、我々が20カ月前から具体化を進めている政策です。

 何よりもまず、フランスの3つの戦略的優先課題であるエネルギー転換、デジタルと生命経済、健康を中心に策定し、実行する34件の産業計画を通してイノベーションを選択しました。デジタルが健康とエネルギー転換に応用されるようになることで、これら3つの優先課題が近い将来に1つになるだろうとも考えています。

 20カ月前から進めている第2の政策は、雇用の安全確保や、より最近では職業教育に関する――労使間で達した合意による労働市場の――簡素化です。我々は引き続きこの方向に向かって進んでいきます。

 最後に私が1月初めにフランス国民と労使双方に提示した責任協定があります。これは我々が競争力・雇用税額控除により始めた労働コスト軽減を続行することをめざし、2014年は120億ユーロ相当、2015年は200億ユーロ相当になります。我々はこの動きをさらに拡大します。というのも構想は、家族給付の分担金分、すなわち300億ユーロ以上を相殺することだからです。

 しかし労働コストの軽減だけではなく、ルールの簡素化も必要です。雇用と投資を促進するために新たな労使対話を開始すべきです。

 責任協定は、我が国が企業にも家計にも明確に示すべき税制の道筋に関する可視化協定でもあります。我々の野心、意思、約束、それは2020年をめどに法人税制をドイツをはじめとするヨーロッパの主要隣国と調和させることです。水曜には早速メルケル首相と話し合う機会があります。仏独両政府の合同閣議があるからです。

 私はこれらの競争力強化措置に加えて、魅力向上措置の導入を望みました。今朝、皆さまにご紹介した通りです。

 最初の決定は、外国からの投資を迅速かつ効率的に受け入れるために万全を尽くすことです。対仏投資庁とユビフランス(フランス企業振興機構)が統合される理由もそこにあります。このフランスの振興機関は職員1,500人、予算2億ユーロ、世界65カ国に代表機関を置く一大ネットワークです。

 我々が実行することがきちんと外国投資家に向けられるように、理事会に参加する企業経営者の4分の1は、フランスに進出した外資系子会社の指導者になる予定です。この新しい機関はフランス各地域圏と緊密に協力しながら作業を進めます。企業支援政策を指揮する首長の役割が、将来の地方分権化法で改めて明確にされ、強化される予定です。このネットワークはフランス進出に関心があるすべての企業のためにあります。

 第2の決定。投資を受け入れるには投資家を受け入れる方がいいのですが、なかなか区別が困難です。それゆえに我々はイノベーターとクリエーターをよりよく受け入れるべきであり、これが「才能パスポート」の趣旨です。免状・資格を有する若者、クリエーター、投資家、会社代表者、高資格労働者など、フランスで必要とされるこれらすべての人々に4年間の滞在許可を提供し、よく分からない手続きが足かせにならないようにします。

 我が国に来るには多くの困難があり、ようやく投資のために役立ちたいと思うころには任期が終わってしまうと、企業家や外国企業の幹部から何度言われたことでしょうか。同様に、経済交流のために我が国を定期的に訪れる企業家や営業担当者は、5年間の長期ビザが取得できるようになります。このビザの取得に必要な期間は、今日の数週間から48時間に短縮されます。外国人観光客に対しても同じように、とりわけ新興国から訪れる観光客を対象に、フランスに来やすくするためにすべての手続きを簡素化します。

 私は外国の学生や研究者がフランスにより容易に迎え入れられることも望みました。彼らは学業や研究の期間とまったく同じ期間の滞在許可証を得られるようになります。学業や研究の修了とともに受け入れ国で投資や創作、起業に乗り出す事例があります。外国へ行くフランス人の中にも、フランスに留学する外国人の中にも同じように見られるケースです。

 第3の決定として、外国のベンチャー企業がさらにフランスに受け入れられるようにしたいと考えました。ベンチャーは今年から早速、手続き全体を扱う単一窓口を利用できます。さらに2万5,000ユーロの財政援助と進出のためのサポートが受けられます。フランスに進出する外資系子会社は、投資公庫から融資を受けられるようになります。これまでは受けられませんでした。この手段は経済活動の資金調達に役立ち、銀行融資の側面支援となるので、外国企業のために全面的に利用可能になることを望んでいます。

 第4の決定。フランスは世界貿易のためのプラットフォーム、すなわちフランスで行われる取引を簡素化したいと考えています。国内に商品輸入を減速させる要因がありましたが、これらの要因は取り除かれます。例えば2015年より、輸入企業に課税されるTVA(付加価値税)制度が簡素化されます。この措置によって、外国企業が我が国の港湾や空港への進出や事業拡大を図れるようになるでしょう。

 今年末には、輸出入の通関手続きがすべて電子化されます。フランスは簡素な国でなければなりません。それは必ずしもフランスが与える対外的イメージではありませんし、そもそも対内的にもそうですが、というのも複雑さには国籍による区別がないからです。それゆえに簡素化は外国企業、フランス企業も含めて万人にとって価値があります。

 フランスは卓越した場所でなければなりません。数日前、大規模なフランス企業代表団とともにシリコンバレーを視察しました。この成功に敬意を表する一方、多くのフランス企業がシリコンバレーに進出しており、大変嬉しく思いました。我々はテクノロジーの交流が必要です。我が国フランスもイノベーションバレーを持つべきであり、そもそもサクレーに存在しますが、それを真のセンター・オブ・エクセレンスにするための条件もすべてそろっていると考えられます。そこには有力大学、フランスのグランドゼコール(高等専門教育機関)、高い実績の研究所、数多くの企業が集積しています。

 欠けているものは、このサクレーの拠点、いわゆる「フランス・ハイテク」拠点と首都パリを結ぶ高速連絡路です。このインフラはグラン・パリと呼ばれる大事業によって整備される予定です。インフラに関してさらに言えば、大規模な国際空港ロワシーはビジネスセンターや企業の設立でさらに充実させる余地がありますが、我々はここも首都とより容易に結ばれるようにしたい――シャルル・ド・ゴール・エクスプレスの課題ですが――と考えており、これもグラン・パリの一環として整備される予定のインフラです。

 さて、国内外の企業が恐らく最も期待している決定に話を戻したいと思います。それはあるべき信頼関係の形です。目標は税の規範とメカニズムを確実に安定させることです。今後はフランス企業も外国企業も、投資のために企業に適用されるルールを税務行政とともに法的に有効化できます。この可視性は不可欠です。税務データが投資期間を通じて同じかどうか確信がないまま、どのように投資ができるでしょうか?

 フランスには「高権解釈」と呼ばれる手続きがあります。これが社会保障分野全般に拡大されます。これは何を意味するでしょうか? フランス企業でも外国企業でも、投資を望む企業は、税制、社会保障、行政に関するルールが同一であると行政側から約束を得られることを意味します。これが保証となります。

 我々は税務行政が今年、対仏投資局を設置することを望んでいます。我々を信頼する企業家に対して適用される税制を保証する役割を担います。

 フランスが――我々の意見交換を通じて確認されたことですが――他国よりも複雑な国であると見られていることは承知しています。それを誇りに思えるかもしれませんが、事実はそうではありません。我々には確かにここ数年――そもそも税が引き上げられ、公共支出が刺激されるにつれて――栄えた一種の行政知力がありますが、それによって我々の競争力は必ずしも高まっていません。それゆえに簡素化がもたらされるようにすることが重要です。

 私はいくつかの約束をしました。何よりもまず、公共支出の制御です。政府によって2年近く進められてきました。これは節約計画によって継続されます。法人税の2020年までの道筋を明らかにすることも約束しました。

 我が国の労使関係により明確な枠組みを与えられることも望んでいます。大幅な期間の短縮とともに解雇の手続きに枠をはめる、必要時の一時的解雇を容易化する、提訴を避けるために調停手続きを促進するとした雇用の安全確保に関する合意が、労使双方の間で見出されました。対立を解決するために法廷に向かわなければならないのは、賃金労働者にとっても企業にとっても常に問題であることは承知しています。それゆえに調停が促進されるべきなのです。

 ご出席の皆さま、

 我々の戦略は、投資とイノベーションです。これは国家戦略であり、国際的かつヨーロッパレベルの戦略です。強い産業、先進的テクノロジー、経済的活力なくして、将来を構想できる大国はありません。

 フランスは大国の自負があります。フランスは国際面で重要な国です。フランスはヨーロッパ建設の原動力でありたいという野心を抱いています。ドイツと極めて特別なつながりがある理由もここにあります。しかしながら、この自負、この野心、この大国であるという我々のイメージを持つ条件は、経済それ自体が強力で活力があることです。

 ヨーロッパは危機から脱しつつあり、ユーロ圏は今では連帯と安定のメカニズムによって強化され、強固になっています。銀行同盟が導入され、通貨同盟を補完しています。ヨーロッパでは、特にフランスでは金利が、我が国そして世界の史上最低水準にあり、我々が必要な努力をすれば、とらえるべき好機があります。

 成長は信頼があれば回復するでしょうし、皆さま――外国の投資家――はこの信頼の一部です。我々は責任協定を通じて、国内レベルで信頼を醸成できるようにしなければなりません。成長、信頼、雇用創出、我が国の成功という課題に取り組めるように、私が労使双方にこうした訴えをした理由もそこにあります。

 フランスで投資が再び活発になれば、景気回復も――すでに最初の兆しが見られますが――いっそう力強くなるでしょう。それゆえに我々は競争力と魅力を高めなければなりません。

 この自明の理をあえて申し上げるならば、フランスは何も恐れていません、世界に開かれることを恐れていません。企業も国も自社や自国から外に出て、卓越した製品や卓越した国力を外へ持って行くことができれば、市場シェアや影響力も獲得できます。これこそ我々が取り組んでいることです。

 それゆえに獲得するには、フランスに外国企業を迎え入れる必要があります。その目的を達成する最良の方法は、我々の卓越性をアピールすることです。皆さまは好意、品位、そして誠意を持って、我々の強みを改めて指摘してくださいました。そもそもフランス人が皆さま、外国の投資家の方々のメッセージを拝聴できることは有益です。

 皆さまは我々に改めるべきところも真摯かつ率直に述べてくださいました。これは我々の宿題でもあります。皆さまが我が国に進出し、投資してくださることで、我々もさらに多くの外国企業が皆さまに合流するように働きかけを進めていく決意を強くしています。今回の魅力会議で始めた取り組みを継続します。

 フランス政府閣僚と世界中の有力企業経営者が話し合うこの会議は3年振りです。我々の改革について、フランスを外資受け入れ大国にする我々の能力について、皆さまに評価していただけるように、私はこの魅力会議を半年ごとに開催します。皆さまがご決断くだされば、フランス人はフランス、ヨーロッパ、世界を成功に導くために世界中どこにでもいます。

 皆さまのご信頼に感謝します。

最終更新日 28/02/2017

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