コンテ
Le Comté
加熱圧搾チーズ。原産地はジュラ県とアルプス山脈
フランス人が大好きなチーズの一つであるコンテは伝統的にジュラ県で製造され、1952年にAOC(原産地名称統制)に認定されました。ジュラでは酪農家が牛乳をチーズ製造業者に納入します。牛乳は地元のモンベリアルド種かピー・ルージュ・ド・レスト種の牛から搾った乳に限られます。これらの牛はジュラ山塊の極めて豊富な種類の植物を食べることで、実に風味豊かな牛乳を生み出します。コンテの表情は製造時期によって変わります。5月から10月にかけて牛が放牧される時期に製造されたコンテは身が黄色く、11月から3月にかけて干し草を飼料とする時期は白くなります。初秋(9月から10月まで)が理想的な製造時期と言われるゆえんです。
熟成には120日以上かかります。その間、コンテは定期的に「裏返され」、「みがかれ」ます。ジュラ山塊の長く厳しい冬を乗り越えるため、人は中世のころから牛乳を「長期保存用」チーズに加工する術を身につけました。これが後のコンテです。大型の加熱圧搾チーズだけが、寒い季節を通じて1家族に必要な量を満たす保存食となりました。
数年熟成させたコンテの王様「コンテ・ド・ノエル」は、深みのある淡黄色、ざらっとした食感、解き放たれるヘーゼルナッツと花の風味でまさに別格です。
ほかにもグリュイエールやエメンタール・ド・サヴォワのような加熱圧搾チーズは、特に冬の食卓におすすめです。