ブリー・ド・モー
白カビ軟質チーズ。原産地はイール=ド=フランス
微細な白カビで覆われた表皮と柔らかい身のブリー・ド・モーは、牛の生乳を原料とした「極上のチーズ」です。扁平な円筒形(直径35~37センチ、厚さ2.5センチ)で、脂肪分は45%です。
ブリー・ド・モーはわらのような淡い黄色の身、とても柔らかく、でも溶け出すほどでもない、ねっとりとした食感、鼻に抜ける豊かな熟成香、口の中に広がるヘーゼルナッツに似た繊細な風味が特徴です。合わせるワインとして、「ブルゴーニュのような適度な酸味と果実味の赤ワイン、またはボルドーのようなコクと力強さのある赤ワイン」をAOCブリー・ド・モーのホームページは推奨しています。今日、生産地はパリ盆地東部一帯に広がっていて、手作り製法の伝統が守られています。最低4週間かけて、途中で数回、手で上下を返しながら、じっくりとむらなく熟成させます。
「ブリー地方」のチーズは、これに目がなかったシャルルマーニュ(カール大帝)の時代から知られていたようです。アンリ4世はパンに塗ったタルティーヌを作らせたという逸話もあります。1814年の有名なウィーン会議では、フランスの政治家タレーランが主催した晩餐会で、各国大使にお国自慢のチーズを持参するように呼びかけました。そこでブリー・ド・モーが最高の評価を受け、「チーズの王様」、「極上のチーズ」の異名を取りました。