フランス人研究者エマニュエル・シャルパンティエ博士が日本国際賞を受賞 [fr]

 2017年日本国際賞「生命科学」分野を受賞したフランス人研究者、エマニュエル・シャルパンティエ博士が4月19日、天皇皇后両陛下を迎えて東京の国立劇場で開かれた授賞式に出席しました。

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エマニュエル・シャルパンティエ博士

 エマニュエル・シャルパンティエ博士は、ピエール・エ・マリー・キュリー大学を卒業、パリのパスツール研究所で博士号を取得したフランスの微生物学者・遺伝学者です。多くの国で研究活動を行い、今日ではドイツ・ベルリンのマックス・プランク感染生物学研究所所長を務めています。シャルパンティエ博士は遺伝子工学における革命的な新技術の開発で、2017年日本国際賞の「生命科学」分野の受賞者に選ばれました。

 日本国際賞は30年来、科学技術の進歩に大きく貢献した科学者や研究者を顕彰しています。毎年、科学技術の動向に鑑みて、「物理、化学、工学」領域と「生命、農学、医学」領域から2つの分野が選定されます。

 エマニュエル・シャルパンティエ博士がジェニファー・ダウドナ博士(アメリカ)と共同開発したCRISPR-Cas によるゲノム編集技術は、遺伝子研究に要する費用と時間を大幅に縮小し、遺伝子工学や研究だけでなく、医学にも破壊的イノベーションをもたらしています。これはウイルスに対する細菌の防御機能の解明から生まれた技術で、病原のDNA塩基配列を極めて正確に狙って改変することができます。この仕組みが2012年に解明されて以来、特にここ2年、この技術に関する論文発表数が増加の一途をたどっています。

 シャルパンティエ博士は日本国際賞が1985年に創設されて以来、8人目のフランス人受賞者です。同博士とカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授には、国際科学技術財団から賞状、賞牌、賞金5,000万円(1分野に対し)が授与されました。
 

エマニュエル・シャルパンティエ「研究の最先端を行く日本」

 ゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」の研究で2017年日本国際賞を受賞したエマニュエル・シャルパンティエ博士が、研究に関する質問に答えるとともに、日本の皆さんに向けたメッセージを述べました。

 

第33回日本国際賞受賞者発表記者会見(2017年2月3日)

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最終更新日 17/01/2019

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