森佳子氏がレジオン・ドヌール勲章を受章 [fr]

 森美術館の森佳子理事長が3月26日、クリスチャン・マセ駐日フランス大使により、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエに叙されました。

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森美術館の森佳子理事長
© Ambassade de France au Japon

 森佳子氏は2003年、夫の森稔氏(2012年3月8日逝去)とともに、東京・港区の六本木ヒルズに森美術館を創設しました。現代美術愛好家の森氏は、だれもが身近にアートに触れられるようにするとともに、さまざまな創作様式を時代を超えて対話させようと尽力しました。そうした観点から開館記念展「ハピネス:アートにみる幸福への鍵」は示唆に富んでいました。ジョン・コンスタブルの風景画、11世紀のカンボジアの彫像、さらにモネの絵画と並んでトレイシー・エミンのビデオ作品、ジェフ・クーンズやオノ・ヨーコの作品などが展示される画期的な展覧会でした。

 こうした現代アートに対するオープンで国際的な視野は、初代館長の人選にも現れました。当時オックスフォード近代美術館館長を務めていたデヴィッド・エリオット氏に白羽の矢を立て、日本初の外国人美術館館長が誕生しました。

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森佳子理事長とクリスチャン・マセ大使
© Ambassade de France au Japon

 日本人アーティストを広く紹介することが森美術館の目的の一つですが、その一方でフランス人アーティストの展覧会も定期的に開催しています。例えば、2006年の「アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術」展、2007年の「ル・コルビュジエ展:建築とアート、その創造の軌跡」、2008年の「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展(1日あたりの入場者が4,500人を超す大成功を収めた日仏交流150周年記念公認イベント)、さらに記憶に新しいところでは2011年の「フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」が挙げられます。森美術館開館10周年を記念して2013年4月26日に開幕する「LOVE展:アートにみる愛のかたち―シャガールから草間彌生、初音ミクまで」でも、オーギュスト・ロダン、フランシス・ピカビア、ソフィ・カル、ジャン=ミシェル・オトニエルといったフランス人アーティストの作品が展示されます。

 森佳子氏はパリのポンピドゥー・センターと特別な関係を築き上げ、2004年の「アーキラボ:建築・都市・アートの新たな実験展」をはじめ、同センターの協力を得ていくつもの展覧会を開催しました。2007年には日本における「ポンピドゥー友の会」を設立し、日本人アーティストの作品をセンター内の国立近代美術館に定期的に寄贈する一方、ポンピドゥー・センターの活動を日本に広く紹介しています。

最終更新日 08/04/2013

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