滋賀県立琵琶湖博物館の川那部浩哉前館長がレジオン・ドヌール勲章を受章 [fr]

 京都大学名誉教授で滋賀県立琵琶湖博物館前館長の川那部浩哉氏が10月26日、フランス大使公邸で行われた叙勲式で、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエに叙されました。

JPEG - 132.3 kb
滋賀県立琵琶湖博物館の川那部浩哉前館長 © Ambassade de France au Japon

 僧侶で日本文学を教えていた父親の影響で、川那部氏は仏教を学び、高校生の時に僧侶試験に合格しました。1951年、京都大学理学部に入学、動物生態学者の宮地傳三郎教授の下で、動物学と生態学を学びました。1960年に同大学の助手に任官、1967年に助教授、1977年に教授に昇任しました。1996年に教授を退官後、滋賀県立琵琶湖博物館館長に就任。川那部氏のおかげで、日本固有種であるビワコオオナマズをはじめ、極めて豊かな生物多様性を誇る琵琶湖の動物相が明らかになっています。

 川那部氏はフランス学術界との関係の発展と強化に大いに貢献しました。特にパリ国立自然史博物館と協力し、『ファーブル昆虫記』刊行100年を記念した日仏合同企画「ファーブルにまなぶ」展の開催に、日本側代表として尽力しました。2005年1月にパリで開催された国際会議「生物多様性:科学とガバナンス」では科学委員会委員を務め、フランスが進める生物多様性保全の取り組みを常に支えました。

JPEG - 53.7 kb
川那部浩哉氏に叙勲するジャン=ルイ・アルマン前科学技術参事官 © Ambassade de France au Japon

 環境保護に生涯を捧げた生物多様性の優れた専門家に叙勲が伝達された時期も象徴的です。ちょうど名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されており、フランスからはシャンタル・ジュアノ・エコロジー担当大臣が出席します。

最終更新日 17/01/2019

このページのトップへ戻る