2017年フランス大統領選挙

 フランス第5共和政の第10回大統領選挙が2017年4月23日(日)と5月7日(日)に実施されました。大統領選挙の準備や組織は、憲法および選挙法典に規定されています。

フランス共和国大統領になるには?

© AFP - JPEG 民事上・政治上の全権利を享有する18歳以上のフランス国籍者は、だれでも被選挙資格があります。ただし、候補者過多もしくは「泡沫」候補を避けるため、立候補者の予備選考システムに関する法律が導入されました。例えば、候補者は少なくとも30県以上から500人の推薦人(市町村長、ヨーロッパ議会、国会、地域圏議会、県議会などの議員)を集めなければなりません。さらに選挙時に公開される資産状況申告書も憲法院に提出します。最後に、選挙運動費用収支報告書を投票後2カ月以内に提出することを約束します。

最終的な候補者名簿がわかるのは?

 推薦人(国民議会議員、元老院議員、市町村長など)は、自らが推薦する候補者を示さなければなりません。そのために、憲法院が用意した「推薦」用紙に記入します。同院は推薦用紙を受領し、その有効性を確認するとともに、当該候補者の同意を確認します。その上で立候補を許可された候補者の正式名簿を確定し、第1回投票に先立つ遅くとも3週間前の金曜日に公表します。憲法院の日程に従って、名簿は官報で発表されます。推薦用紙に署名した推薦人の名簿も並行して一部公表されます(候補者1人につき推薦人500人を公表、推薦人の数が多い場合は抽選)。

選挙運動のルールは?

 一部の候補者は選挙の何カ月も前から立候補の意思を表明できますが、実際の選挙運動期間は約30日と、それほど長くありません。選挙運動は第1回投票に先立つ2週前の月曜日に開始し、投票日前日午前0時に終了します。第1回投票の上位2候補が官報で発表される日に再開し、第2回投票の前日に終了します。

 この期間中、すべての候補者はそれぞれの公約を紹介できるように、平等な扱いを受けなければなりません。国は次のことを保障します。

  • 政権公約の送付
  • 最小限のポスター掲示
  • ラジオ・テレビの放送時間

 高級司法官8人で構成される全国監視委員会(CNC)がこの平等の扱いを監視します。視聴覚分野では、この監視役は視聴覚高等評議会(CSA)が担い、候補者の発言時間を計測します。

 公式期間以外も、発言・放送時間が監視されます。メディアは(2012年大統領選は1月1日から3月19日まで)、立候補予定者間の公平性の原則を順守しなければなりません。さらに発言時間の平等性の原則(候補者・支持者対象)、放送時間の平等性の原則(メディア対象)を、(同3月20日から4月8日まで)適用しなくてはなりません。

 選挙運動期間中、候補者はインターネットで自由に所信表明できますが、広告購入は禁止されています。

選挙運動費用はどこから?

 選挙運動費用は公的資金と民間資金により調達し、大部分は政党から出されます。しかしながら、いくつかのルールを順守しなければなりません。

  • 個人献金は4,600ユーロまで。第1回投票のための支出上限額は1,685万1,000ユーロ、第2回投票は2,250万9,000ユーロ
  • 各候補者は選挙運動に関する収入と支出を記載する会計帳簿を作成

 投票結果に応じて、費用の還付があります。得票率5%未満の候補者は支出の法定上限額の4.75%、得票率5%以上の候補者は支出の47.5%が還付されます。

 これらのルールに違反した場合は、制裁が科せられます(選挙結果の取り消し、罰金、被選挙権の失効など)。

投票できるのは?

 第1回投票の前日に18歳以上で、民事上・政治上の権利を享有する、すべてのフランス国籍者が投票できます。外国居住者も、拘留者も含まれます。

 しかしながら大統領選挙の前年の12月31日までに、居住する市町村の選挙人名簿に登録する必要があります。

 投票日当日に不在の場合、各選挙人は本人に代わって投票する代理人を事前に指名できます。委任状は遅くとも投票日の前日までに、警察署、憲兵隊駐在所、小審裁判所、領事当局のいずれかに提出しなければなりません。電子投票は、在外投票が認められた外国に居住するフランス人を除いてできません。

投票の手順は?

 フランスの大統領選挙は単記2回投票制です。第1回投票で選出されるには、絶対多数(有効投票総数の50%プラス1票)を得る必要があります。どの候補者も絶対多数を得られなかった場合は、上位2人の候補者の間で第2回投票が行われます。その結果、単純多数(最も多数の票)を得た候補者が当選します。

2017年の投票日はフランス本土では4月23日(日)と5月7日(日)、投票時間は8時から18時まで(大都市では20時まで)。グアドループ、マルティニーク、ギアナ、サン=ピエール=エ=ミクロン、サン=バルテルミ、サン=マルタン、仏領ポリネシアは時差を考慮して、4月22日(土)と5月6日(土)に実施されました。

 投票日当日、各投票所(所長1人、立会人2人以上、秘書1人)は選挙法典の順守に留意します。各選挙人の身元と署名を確認し、投票ブースへの立ち寄り、各自(支持する候補者の名前が印刷されたカードを挿入した)封筒1通のみを投票箱に投函するのを監視します。投票時間終了後、投票箱の開封、封筒数の集計(選挙名簿上の署名数と一致しなければならない)、開票の順で作業が進められます。行政機関が印刷した投票用紙と不同一の用紙、削除訂正された用紙、白紙、空封筒は無効票とみなされます。開票作業には開票立会人(有志の選挙人)が同席しなければなりません。

 第1回投票の正式な結果は憲法院が公表します。第2回投票の4日後、憲法院は最終結果を公表し、新大統領の選出を宣言します。

不正があった場合は?

 不正を疑う知事や候補者は憲法院に審査請求ができます。選挙人も同院に異議申し立てができます。不正は投票(例えば、投票箱の封鎖による妨害)もしくは選挙運動(中傷ビラの配布など)に関する場合があります。不正が明らかになると、選挙が無効になるか、もしくは選挙結果が修正されることがあります。しかしながら常にそうなるとは限りません。というのも、不正は結果を変えるほどの票数を動かす効果がなければなりません。そうでなければ、不正行為は処罰されません。

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最終更新日 12/05/2017

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